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なぜ企業は組織構造を変える必要があるのか 段階に応じた組織モデルと変革の進め方とは

2026.01.09 その他

なぜ企業は組織構造を変える必要があるのか 段階に応じた組織モデルと変革の進め方とは

従業員の数が増えて管理が行き届かなくなってきた、業務を効率化して市場変化に合わせた業務の進め方にしたい、成長が鈍化し伸び悩んでいる──こうした状況に直面した時の打開策の一つが、組織構造の変革(組織改編)です。

それまで問題なく機能していた組織のあり方が、従業員数や事業規模の拡大や市場の変化によってある時期から足かせになってしまうケースは珍しくありません。企業が持続的に成長していくためには、自社が置かれた状況に合わせて、時に組織の形そのものを柔軟に変えていく必要があります。

本記事では、代表的な成長モデルや組織構造の事例を踏まえながら、自社に合った組織を見極めるための視点を解説します。

企業の成長に即した組織の形とは

企業の成長に即した組織の形とは

最初に、組織構造を変える理由や実施のタイミングについて考えてみましょう。

CONTENTS

  • 1.なぜ組織構造を変える必要があるのか
  • 2.組織改編を実施するタイミング

なぜ組織構造を変える必要があるのか

企業は成長とともに、従業員の数や事業の内容、顧客層などが変化していきます。また、市場のあり方や企業として社会で果たすべき役割も、時代によって異なります。それにもかかわらず、組織の形だけが創業当時のままであれば、さまざまな歪みが生じるのは自然なことだと言えるでしょう。

組織の形を変えるということは、外見的な組織図や部署名を変えることにとどまらず、指揮命令系統や情報共有の仕組み、マネジメントのあり方や業務フローなど組織と事業に関するあらゆることに影響します。

例えば従業員の数という観点で考えると、創業間もない人数が少ない時期は、経営者の目が全員に行き届き、意識をしなくても誰が何の仕事をしているかをトップが詳細に把握することが可能です。また、方針や情報も自然と共有され、みんなで同じ方向を向いて事業を推進できるでしょう。しかし、従業員の数が増えてくると、状況が異なってきます。一人ひとりと密にコミュニケーションをとることができず、マネジメントや評価が難しくなってきます。情報伝達の抜け漏れや、価値観のバラツキなどの問題も生じてきます。

こうした課題を解決するために、組織改編は大きな効果をもたらします。従業員数の変化に限らず、事業や市場の変化などに対応し企業が成長していくためには、組織の形も目的に合わせて変えていくことが必要です。

組織改編を実施するタイミング

企業によって、さまざまなタイミングで組織改編を検討すべき時期がやってきます。以下では、その代表的なものをご紹介します。

 

  • ・従業員数に合わせてマネジメント体制を改善したいとき
  • ・事業を拡大、または縮小するとき
  • ・新規事業を立ち上げたとき
  • ・海外に進出しグローバル化を進めるとき
  • ・経営戦略を刷新したとき
  • ・業務を見直し、効率化やスピード向上を目指すとき

上記は一例ですが、重要なのは、組織の形を変えるということは、そこに込められた経営の意図や新たな組織で目指す姿を内外に示すメッセージにもなるということです。何にこれから注力するのか、どのような課題解決を目指しているのか、そして新しい組織がそれに対してどのようなメリットを持つのか、改編のタイミングで発信をすることを心がけましょう。

企業の成長モデルとは

企業の成長モデルとは

組織改編を検討する際は、まず、自分たちの組織がどのような状況にあるのかをしっかりと把握することが大切です。そこで役立つのが、企業やチームがどのような段階を経て成長するのかを整理した組織の成長モデルです。組織の成長モデルは、企業やチームが成長する過程で、どのような課題に直面し、どのように変化していくのかを整理した理論で、さまざまな種類のものが提唱されています。これらのモデルを知ることで、「今、自社はどの位置にいるのか」「なぜ違和感が生じているのか」を客観的に捉えやすくなります。

ここでは、実務の現場でもよく参照される代表的な二つのモデルを紹介します。

CONTENTS

  • 1.グレイナーの5段階企業成長モデル
  • 2.タックマンのチーム発展モデル

グレイナーの5段階企業成長モデル

経済学者ラリー・E・グレイナーが提唱したモデルで、企業の成長を以下の5段階(活用方法などによって段階の数の増減あり)で捉えます。

 

  • 1. 創造による成長(創業期)
  • 2. 指揮による成長
  • 3. 権限委譲による成長
  • 4. 調整による成長
  • 5. 協働による成長

このモデルでは、企業がその規模を拡大していく各段階で「成長の危機」が訪れるとされており、例えば創業期には「リーダーシップの危機」、権限委譲期には「統制の危機」が生じます。その危機を乗り越えるために必要なのが、例えば「リーダーシップに基づく指揮」や、「権限移譲による成果主義の導入」などです。

このモデルが示唆しているのは、それぞれの事業規模に応じて成長するやり方を変えなければ、次の段階へ進めないという点です。組織構造もまた、その変化に合わせて見直す必要があります。

グレイナーの企業成長モデルは現在でもさまざまな形で活用されており、例えばリクルートマネジメントソリューションズは、グレイナーのモデルをベースに「組織の発展モデル(Organization Transition Model)」を開発し、創業ステージ・拡大化ステージ・公式化ステージ・最適化ステージと4つのステージを作った上で、それぞれのステージで生じる課題や解決策を提唱しています。

タックマンのチーム発展モデル

心理学者ブルース・タックマンが提唱したモデルで、チームが形成されてから成果を出すまでのプロセスを以下の5段階で整理しています。

 

  • 1. 形成期(Forming):メンバーが集まり、役割や目的を探る段階
  • 2. 混乱期(Storming):意見の衝突や不満が表面化する段階
  • 3. 統一期(Norming):ルールや関係性が整い始める段階
  • 4. 機能期(Performing):チームとして高い成果を出せる段階
  • 5. 散会期(Adjourning):役割を終え、解散する段階

このモデルは、企業の組織全体よりはプロジェクトチームや部門単位を想定したモデルですが、組織改編により新たな部署やチームが形成された際の参考となります。重要なのは、混乱期を失敗と捉えないことです。成長の過程で必ず起こる摩擦であり、適切なマネジメントがあれば次の段階へ進めると考えられています。

組織構造の事例

組織構造の事例

実際に組織づくりを進めるうえで、具体的にどのような組織構造があるのかを見ていきましょう。

CONTENTS

  • 1.文鎮型
  • 2.ピラミッド型
  • 3.マトリクス型

文鎮型

文鎮型組織は、トップである経営者のもとにメンバーが横並びで配置される形です。フラット組織ともよばれます。創業期など従業員の数が少ない段階では、意思決定が早く、柔軟に動けるメリットがあります。一方で、トップがすべてを見る構造のため負荷が集中しやすく、人数が増えると限界が訪れます。

ピラミッド型

ピラミッド型組織は、階層を設けてトップと従業員との間に管理職を置く構造です。責任と権限を分担しやすく、組織が大きくなっても運営しやすい一方、階層が増えすぎるとそれぞれの階層での承認が必要になるなど、意思決定が遅くなるリスクがあります。

マトリクス型

マトリクス型は、例えば「エンジニア部」と「欧州事業部」など、機能別組織・事業別組織・エリア別組織など、異なる二つの組織形態を掛け合わせた構造です。専門性を活かしながら柔軟なリソース配分ができ、個別のプロジェクトにおける情報共有やマネジメントが向上するなどのメリットがありますが、指揮命令系統が複雑になりやすく、運用には高いマネジメント力が求められます。

どの構造にもメリット・デメリットがあり、「最も優れた組織構造」が一つ存在するわけではありません。重要なのは、自社の成長段階や事業特性、経営戦略に適しているものを選択することです。

自社にあった組織構造を見極めるために何が必要か

自社にあった組織構造を見極めるために何が必要か

自社に適した組織構造を見極めるためには、例えば以下の点を整理する必要があります。

 

  • ・従業員数と今後の成長見込み
  • ・事業の形態・複雑さ・スピード感
  • ・今後注力したい分野など経営戦略
  • ・育成や評価を含むマネジメントの目指す姿
  • ・市場環境の変化

また、組織改編は、制度や組織図を変えれば終わるものではありません。変化に対する不安や抵抗が生じることを前提に、丁寧なコミュニケーションを取り、変革の目的を浸透させることが不可欠です。モデルはあくまで「地図」であり、実際に歩くのは組織の人間です。段階を踏みながら、必要に応じて修正していく姿勢が重要だと考えられます。

まとめ

まとめ

企業の成長に伴い、組織の課題は必ず変化していきます。

組織の成長モデルは、その変化を予測し、先回りして備えるための有効なフレームワークですが、一方で、そのモデルを当てはめて組織を作ることが最終ゴールではありません。あくまで自社の状況を客観視するための判断軸として使い、自分たちが解決したい組織の課題や目指す姿に向けて組織を作っていくことが必要です。

組織を変えることは簡単ではありません。しかし、成長の停滞を感じているのであれば、それは変革のサインでもあります。自社の成長段階を見極め、組織構造を進化させることが、次の成長を支える土台になるはずです。

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