スーツから鞄、小物まで、エグゼクティブ層向けにその人に合ったスタイルを提供

―　御社の事業内容についてご紹介をお願いします。

岡本章吾氏（以下、岡本氏）：当社では、企業経営者などエグゼクティブ層のお客様に向けて、イメージスタイリストとして服装を中心にスタイリングをしています。

イメージスタイリストとは、従来のイメージコンサルタント、パーソナルスタイリスト、オーダースーツテーラーの3つを掛け合わせたもので、お客様の希望するイメージに沿って、スーツはもちろん、その人に合った鞄や靴までオーダーメイドのご提案が可能です。

―　起業した経緯について、教えてください。

岡本氏：元々百貨店に勤務していて、そこで食器売り場や婦人靴売り場の担当、紳士服のオリジナルブランドの立ち上げなどを経験してきました。
当時は全く独立するつもりはなかったのですが、このままでいいのかな、という漠然とした悩みを抱えていた時に、たまたまコンサルの仕事をしている人とお話しする機会があったんです。

その方と将来について話をしていたときに、「いろいろ悩んでいるなら、独立したらいいじゃないですか」と言われたのがきっかけで、自分で起業するということについて考えるようになりました。

その後、ちょうど30歳になるタイミングで、同じ時期に昇格の話をいただいたんです。昇格すると責任も大きくなるので、簡単に辞めるわけにはいかなくなります。また子供が生まれた瞬間でもありました。将来、子供が夢や目標に向かって取り組む際、経済的にも応援できる状態にしておきたい。と感じました。こんな人生の節目が重なるタイミングなんて、そうそうあるものではありません。今しかないと思い、半ば勢いで会社を辞めて、起業しました。

―　ご自身で事業を始め、スタートからすぐに、うまく軌道にのったのでしょうか？

岡本氏：最初は全くダメでした。当時はファッションに関する知識や技術があればお客様が来ると思っていて、「売る力」が一切なかったんです。正直、そもそもどうやって売るのか、売り方もわかっていませんでした。

お客様は誰も来ず、池袋に構えていたサロンで、ひたすら作業をする日々です。前職からお客様を引っ張ることもしなかったので、最初の3ヶ月間は売り上げがゼロでした。

さすがにこれはまずいと思い、人に会ったり、いろいろな交流会に参加したりして、少しずつ人脈を広げていきました。初めてのお客様が出来たのが、開業して4か月目のことです。最初は信じられなくて、「イメージコンサルを受けたい」と言ってくださったお客様に「本当ですか」と4回くらい確認しましたね（笑）。

事業拡大を目指すも、やるべきことが山積…。コーチングを依頼して起きた変化

―　社長のふくろう®︎を導入したきっかけは？

岡本氏：法人化して2年くらい経った2019年ころに経営者の集まる会があり、そこでお会いしたのが最初のきっかけです。石上さんからコーチングについて案内していただき、ちょっと試しに1回受けてみようかなと、そのときは1回だけお願いをしました。
本格的に依頼をしたのはさらにその2年後のことです。その時、事業を拡大するにあたってやることがたくさんありすぎて、どこから手をつけようか悩んでいる状況でした。

たまたまそのころに、石上さんのコーチングを受けた方のインタビュー動画を目にしたんです。
コーチやコンサルタントなど、それまではちゃんとつけたことがなかったのですが、「課題が整理されてすごく助かった」というその方のお話を聞いて、「これだ！」と思って石上さんにご連絡し、コーチングをお願いすることにしました。

―　実際にエグゼクティブコーチングを受けてみて、いかがだったでしょうか？

岡本氏：山積みになっていた課題が、一つ一つ整理されて、目的に向かって前に進んでいくのを感じることができるようになりました。ものすごい量のやるべきこと、ToDoがあったのですが、それを整理していくつかのかたまりに分けた上で、優先度をつけていったんです。さらに、どのタイミングで何をするべきかを明確にしていったので、非常に頭もクリアになり、スムーズにこなしていくことができました。

また、自分一人でやっていたときは、とりあえずやらないと、という感じで、片っ端から手をつけることが多かったのですが、そこも順序だてて進めるようになりました。

―　具体的に、何か進め方が変わったものはありますか？

岡本氏：例えば採用でいうと、以前は人手不足で採用して、あとあと同じスキルを持った人材が重なってしまったり、全体のバランスが整わなくなってしまうこともありました。

対して、石上さんのコーチングでは、まず理想とする組織はどういう形なのかをセッションの中で考えるところから始めるんです。そして、そのゴールから逆算して、必要な人材を必要なタイミングで採用していきます。明確になった理想の形があり、そこに向けてピースをはめていくイメージですね。
人が足りない、募集しなきゃ、というサイクルが大きく変わり、将来目指す組織に向けて、計画的に採用をするようになりました。

―　それまではコンサルタントなども依頼せず基本的に一人で考えていたということでしたが、社長のふくろう®を続けようと思った理由はどのような点にあるのでしょうか。

岡本氏：そうですね。お伝えしたように、「やるべきことが明確になる」、「タスクをすすめるスピードがあがる」、「頭が整理できる…」と、事業の面でプラスのポイントがたくさんあります。

よく、コーチングは引き出す、コンサルティングは教える、と比較して考えることがありますが、石上さんの場合はちょうどその中間といいますか、バランスが素晴らしいと感じています。

自分自身がやりたいこと、目指すところを上手に引き出してくれて、さらにご自身の経験から、他社の事例や課題解決に使える世の中のサービスを紹介もしてくれるんです。質問を重ねて引き出すだけではなく、適切なアドバイスもいただける点が、非常にありがたいですね。

加えて、石上さんの人柄といいますか、誠実なところ、紳士的に向き合ってくださるところも、信頼してお願いしようと思った大きな理由の一つです。

夢は世界へ！“思考を現実化”するコーチングで、未来をつかむ

―　事業の将来の展望、今後やってみたいことなどは、何かありますでしょうか？

岡本氏：まず一つは、世界に向けたラグジュアリーブランドを作りたいと思っています。日本生まれの世界に誇れるラグジュアリーブランドは自分の夢でもありますね。

他には、エグゼクティブのお客様に対して価値を提供するという現在の軸を中心に、ファッションだけに限らず、事業の範囲を少し広げていきたいなと思っています。例えばエグゼクティブの方向けに何かサービスをしようと思った場合、当社に聞いたら解決するプラットフォームの様なサービスです。

―　事業をすすめる上で、大切にしている理念はありますか？

岡本氏：「楽しみながら仕事をする」、ということを常に心がけています。仕事は大変な側面もありますが、自分自身で決めて、大好きなファッションで起業し始めた事業なので、楽しみながら仕事をしていきたいなと思っています。

私がファッションを好きになったのは、中学2年生のときに、母からもらったラルフローレンのシャツがきっかけなんです。

当時自分はどちらかというと大人しく、たくさん話かけられるようなタイプではありませんでした。それが、そのシャツを制服の下に着て学校に行った日に、周囲の人たちが「そのシャツいいね！」といろいろと声をかけてくれたんです。

ファッションがコミュニケーションツールになり、服装で自分自身の気持ちや態度を変えることもできるんだと感じた出来事でした。その時の経験が、素敵なスーツやアイテムをご提供することで、お客様のよりよいライフスタイルをサポートする、という今の仕事につながっているかもしれません。

―　最後に、岡本様にとって、社長のふくろう®を一言で言うと、何になるでしょうか？

岡本氏：「“思考を現実化”してくれる存在」ですね。頭の中にあるやりたいこと、目指したいことが、コーチングを受けることで一つ一つ現実になっていくんです。

S-styleは、来年で創業10周年を迎えます。今後も仕事を楽しみ、石上さんのコーチングを通じて、目指す未来を現実のものにしていきたいと思っています。

左：株式会社S-style　代表取締役　岡本 章吾 様、右：弊社代表　石上 和平