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組織改革はなぜ必要?失敗しないためのステップ、 成功に導くフレームワークを紹介

2025.12.05

組織改革はなぜ必要?失敗しないためのステップ、 成功に導くフレームワークを紹介

市場環境の変化に対応できず売上が伸び悩んでいる、規模拡大に伴いトップの考え方が浸透せず組織として力を発揮できていない——さまざまな課題に直面し、組織を改革する必要性を感じる経営者は少なくありません。

しかし、対策が必要とわかっていながらも、やり方がわからず何から手をつけるべきか判断できない、組織改革が解決に寄与するのか迷ってしまう、ということも多いのではないでしょうか。

本記事では、主に中小企業の経営者に向けて、組織改革が必要な場面の見極め方と、実践に役立つ組織改革のフレームワーク、組織改革を行う際に注意すべきポイントなどを体系的に解説します。感覚や勢いではなく、判断軸を持って改革を進めたい方にとって、具体的な指針となる内容をお届けします。

組織改革はなぜ必要か、実行すべき場面とは

組織改革はなぜ必要か、実行すべき場面とは

組織改革は、今までのやり方で対処することでは解決が難しい問題を打破するだけではなく、企業が新たな成長ステージに進むためにも、非常に重要な手段の一つです。持続的な成長を続けるためには、どこかの時点で必ず必要となる時期がくるともいえます。

例えば、次のような兆しが見え始めたとき、組織改革を検討するサインと考えられます。

 

  • ・会社の規模が大きくなるにつれて、経営者の意図が現場まで十分に伝わらず、判断や行動にばらつきが出るようになってきた
  • ・事業拡大に伴いいろいろな部署ができたものの、連携が弱く、部分最適が全体の非効率を生んでいる
  • ・財務分析やKPI管理の観点が不十分なため、市場への戦略的な発信ができていない
  • ・事業環境が変化しているにもかかわらず、従来のやり方から抜け出せていない

さらには、これらの「課題を解決するための組織改革」だけではなく、強みを生かす、新たなステージに挑戦するという意味合いが強い組織改革も考えられます。

例えば

 

  • ・新規事業進出に伴い、経営資源を集中させ意思決定のスピードを上げたい
  • ・自社の事業領域に大きな影響を持つ画期的な技術が開発され、導入に伴い業務プロセスを変更したい
  • ・優秀な人材を確保するために、評価の仕組みや人事制度を一新したい
  • ・経営の目的を浸透させ社員の意識を合わせるために、新たにミッションやバリューを作りたい

そもそも組織改革とは、部署を新設したり再編したりする「組織図の変更」だけではなく、組織が抱える問題に構造変化によって根本的に対処したり、時代の変化に合わせて新たな仕組みを取り入れたりすることを含んだものです。

そのため、明確な経営方針、経営者として何のために改革するのかといった意図によって、その改革の内容は異なってきます。

組織改革の参考になるフレームワーク

組織改革の参考になるフレームワーク

組織改革をしようと思ったものの、何から手をつけてよいかわからない、重要な視点が抜け落ちていないか心配、と感じる経営者にとって、組織改革のフレームワークを活用することは大きなメリットがあります。適したフレームワークを用いることで、思考の抜け漏れを防いだり、判断の質を高めたり、さまざまな効果が期待できます。ここでは、実務で活用されている代表的な二つのフレームワークを紹介します。

CONTENTS

    • 1.7Sフレームワーク
    • 2.8段階の変革プロセス

7Sフレームワーク

向いているケース:組織全体を構造的に見直したい場合

7Sフレームワークは、組織を「Strategy(戦略)」、「Structure(組織構造)」、「Systems(制度・仕組み)」、「Shared Values(価値観)」、「Style(経営スタイル)」「Staff(人材)」、「Skills(能力)」の7つの要素で捉える考え方で、組織全体を多面的に俯瞰できるという特徴・メリットがあります。

実際に活用する際は、以下のように進めることが一般的です。

■7つの要素それぞれについて、現状を把握する
現在どのような経営戦略をとっているか、どのような組織構造か、どんな人材がいるかといったそれぞれの内容を書き出すなどして、客観的に事実を理解することが大切です。

■それぞれの要素の関係性を見る
例えば、ある領域で新規事業を立ち上げ新たな経営の柱とするという戦略を立てているのに担う人材が不足している、大事にしている価値観を反映する評価制度になっていないなど、矛盾した関係性になっているものがないかを確認します。

■理想の姿を定義する
前のステップで確認した矛盾点を改善するにはどのような姿が理想か、7つの要素についてあるべき姿を定義します。このときに、会社として大切にしている「価値観」との整合性が取れているかが重要だとされています。

■改善策を立案し、実行する
課題を解決し、理想の姿を実現するために必要な改善策を立案し、実行に移します。単に施策を行うだけではなく、達成度合いを客観的に判断できる数値目標などを設定し、都度進捗を確認しながら進めましょう。必要に応じて柔軟に軌道修正していくことも大切です。

8段階の変革プロセス

向いているケース:大きな変化を段階的に進めたい場合

ハーバード・ビジネス・スクールのジョン・P・コッター教授が提唱したフレームワークで、組織変革を8つのステップで進める考え方です。

特に特徴的なのは、「危機意識の共有」や「短期的な成功体験の創出」といった、人の心理に焦点を当てている点です。組織改革は論理だけでは進まず、感情や納得感が重要であることを示しています。

このフレームワークは、以下のプロセスで改革を進めます。実際の状況に応じて、どこかのプロセスを何度も繰り返すケースもあります。

■危機意識を高める
市場や自社の状況を分析し、組織の課題や直面しているリスク、このまま変革をしない場合にどうなるかなどを検討します。これによって、関係者の危機意識を高め、変革の必要性を共有します。

■変革をリードするチームを作る
変革の必要性を確認した上で、その変革をリードするチームを設置します。さまざまな所属部門、レイヤー、スキルの人材を集め、強く取り組みを推進できるチームを作ることが大切です。

■ビジョンと戦略を策定する
変革を成し遂げることで実現する、将来のあるべき姿を描きます。そして、そこにどのように向かうのか、戦略を立案します。このビジョンと戦略は、明確で説得力を持ち、従業員のモチベーションを向上させる内容であることが必要です。

■ビジョンを周知徹底する
策定したビジョンと戦略を周知します。一度伝えれば終わりではなく、さまざまな手法で何度も繰り返し発信し、従業員に浸透させることが必要です。また、従業員が前向きに取り組めるよう、メッセージの内容やタイミングなど、細部まで検討しましょう。

■ビジョン実現に向けた自発的な行動を促す
周知した内容に沿って従業員が自発的に行動し、実現スピードが上がるように取り組みます。人事異動や教育、システムや評価制度など、ソフトとハード両面で促進できる形になっているかを見直し、必要に応じて修正をします。

■短期的な成果を生み出す
取り組みをスタートしたら、目に見える短期的な成果を実現します。業績やKPIの改善など変革することで得られる価値を明確に示し、報酬などによって評価をします。

■成果を土台にしてさらなる変革を推進する
得られた短期的な成果を土台にして、変革のスピードを加速させます。成功事例を他の部署に横展開したり、人材を採用して規模を大きくしたりして勢いをつけ、さらなる成果を積み上げていくことが大切です。

■変革に基づいた取り組みを組織文化に定着させる
ビジョン達成に向けた行動を一時的なもので終わらせないために、成果を得るためのアプローチや行動を組織の文化として定着させていきます。人材育成の中に取り入れたり、評価制度を見直すなどして、変革を起こすことが可能な組織に変えていきましょう。

※組織改革で活用できるフレームワークは、何を重要とするかの視点の違いなどによって、ほかにもさまざまなものがあります。自社の状況や組織改革の目的に応じて、適したものを活用し、組織改革を進めていきましょう。

組織改革を進める際の注意点

組織改革を進める際の注意点

組織改革においてよくあるのが、「フレームワークを使っているのに、うまくいかない」というケースです。組織改革を進める上で注意するポイントはどこにあるのでしょうか。

CONTENTS

  • 1.目的が曖昧なまま改革を始めてしまう
  • 2.変革を担うチーム構成が不十分
  • 3.現場の納得感を得ていない
  • 4.経営者が変革にコミットしていない
  • 5.組織体制や制度が変革にフィットしていない

・目的が曖昧なまま改革を始めてしまう

「組織を変えたい」「風土を良くしたい」といった抽象的な目的では、とるべき戦略も明確にならず、現場は動きません。経営者自身が、「なぜ今、組織改革が必要なのか」「改革によって何を実現したいのか」を言語化することが重要です。

・変革を担うチーム構成が不十分

変革を進めるためには、中核となって動くチームの存在は非常に重要です。個々のメンバーによる問題だけではなく、例えばそのチーム自体に権限がないために一つ一つ外部承認が必要で時間がかかるなど、組織体制の見直しが必要なこともあります。

・現場の納得感を得ていない

経営者や一部の人間だけが必要性を理解していても、変革は実現しません。また、最初は十分浸透していても、人が入れ替わったり組織が変更したりして、意識が薄れてしまう可能性もあります。現場の人たちの理解と納得をいかに得るかは、重要なポイントの一つです。

・経営者が変革にコミットしていない

経営者が前面に立ち、方向性を示し続ける姿勢がなければ、改革は途中で頓挫してしまいます。結果を確認するだけではなく、「変革は重要な経営方針である」というメッセージを発信し続けるなど、経営者のコミットメントを強くしましょう。

・組織体制や制度が変革にフィットしていない

変革の目的と組織の体制がフィットしていないために指示命令系統が混乱する、変革への取り組みが指標に入っていないため、変革に時間を割かない人の方が良い評価を得やすい評価制度になっているなど、変革を妨げるような組織体制や制度が残っていないか、確認が必要です。

まとめ

まとめ

本記事では、組織改革が必要な場面の見極め方、代表的なフレームワーク、そして改革を成功させるための注意点を解説しました。
企業の経営者にとって、組織改革は避けて通れないテーマである一方、進め方を誤ると大きな混乱を招くリスクもあります。
重要なのは、闇雲に組織改革を始めるのではなく、自社の課題や成長戦略、目指す姿を明確にした上で実行することです。経営者自身が覚悟を持って関わり続けることが、組織改革を「一時的な施策」ではなく「企業の力」に変えていく鍵になるといえるでしょう。

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