コーチング
コラム

IPOとは?上場との違いやメリット・デメリットをわかりやすく解説

2023.10.01

IPOとは?上場との違いやメリット・デメリットをわかりやすく解説

上場を目指す企業にとって、IPOの過程は煩雑でありながらも、その成果が企業の未来を大きく左右する重要なステップとなります。

この記事では、IPOに必要な費用の詳細や、上場を成功させるための各種審査基準を明らかにします。

さらに、企業が持続的に成功を収めるための要点についても深堀りしていくので、上場を考える経営者にとっての実践的なガイドとして役立つことでしょう。

IPO(Initial Public Offering)とは

IPO(Initial Public Offering)とは

IPOは、正式には「Initial Public Offering」と称されるもので、特定の株主のみに株式の所有を認めていた未上場の会社が、その株式を初めて証券取引所を介して一般の投資家に公開する行為を指します。

これは、その企業がより広い市場での認知や資金調達を図るための手段であり、企業の新たなステージへの入口となります。

IPOを進める際、企業は二つの方法から選択可能です。一つは、新たに株式を発行してこれを市場に売り出す方法、もう一つは、すでに存在する株式を現在の株主が売り出す方法です。

この二つの方法はそれぞれ特色があり、企業の資金調達の目的や株主の意向によって選択されます。

また、IPOの際の株式の価格には、「公募価格」と「売出価格」という二つの価格が存在します。公募とは、新規に株式を発行し、これを市場に売り出す際の価格を指し、その価格が公募価格です。一方、すでに存在する株式を売る際の価格を売出価格と称します。

そして、これらの価格を決定するのは、企業が上場のために依頼した主幹事証券会社の役割です。この証券会社は、企業の財務状況や業績、そして将来のビジョンなどを詳しく監査し、その結果をもとに適切な価格を設定します。

しかし、その価格は単に監査だけで決まるわけではなく、さまざまな投資家や市場関係者へのヒアリングを経て、最終的な価格が決定されるのです。

このように、IPOは企業の新たな挑戦であり、それを支える多くのプロセスと専門的な知識が求められるのです。

IPOと似た用語の違いを整理しよう

IPOと似た用語の違いを整理しよう

CONTENTS

  • 1.IPOと上場の共通点と違い
  • 2.IPOと直接上場の違い
  • 3.IPOとPO(Public Offering)の違い

証券市場にはさまざまな専門用語が存在し、その中でも「IPO」という言葉が頻繁に取り上げられます。しかし、IPOと同様によく耳にする「上場」や「直接上場」、「PO」といった用語も存在します。

これらの用語は似て非なる点が多く、その違いを正確に理解することで、市場の動向や企業の戦略をより深く把握できるようになるでしょう。

ここでは、それらの用語の違いをわかりやすく整理します。

IPOと上場の共通点と違い

IPOと上場、これら二つの用語は証券市場において頻繁に取り上げられるもので、初めてこれらの用語に触れる方は混同しやすいかもしれません。実際、両者には共通する側面が存在します。

IPOも上場も、元々未上場の企業が証券取引所に新たに登録され、一般の投資家がその企業の株式を売買することが可能になる、という点においては同じです。

しかし、詳しく見ると、IPOと上場の間には微妙な違いが存在します。その最も顕著な違いは、「新規株の発行」に関わる部分です。

そもそも上場とは、企業の株式が証券取引所での取引が認められる状態を指し、新しい株式の発行を伴うことは必須ではありません。

一方でIPOは、文字通り「公開初回の株式募集」を指すものであり、企業が新たに株式を発行して公開することを意味します。

つまり、上場の種類としてIPOというものがあるという認識がわかりやすいといえるでしょう。

IPOと直接上場の違い

IPOと直接上場は、共に企業が公開市場で株式を取引する際の方法ですが、そのアプローチや目的に大きな違いが存在します。

IPO(Initial Public Offering)は、企業が新しく株式を発行し、それを公開市場で売り出すことを意味します。この方法で資金を調達することが主な目的となるのです。

また、IPOのプロセスには、価格設定や投資家への販売のための広範なマーケティング活動、主幹事証券会社の選定など、多くのステップが含まれます。

一方で直接上場は、新しい株式の発行や資金調達を伴わず、既存の株主がその株を公開市場で売買できるようにする方法です。

これは主に資金調達の必要がないが、株式の流動性を増やしたいと考える企業や、従業員や初期の投資家に対して株式のリキッド性を提供したい企業が選ぶ方法です。

要するに、IPOは新たな資金調達を目的として新規株式を発行するのに対し、直接上場は既存の株式の流動性を提供することが主目的となります。

これらの違いを理解することで、企業が公開市場にアクセスする際の選択肢を適切に評価できます。

IPOとPO(Public Offering)の違い

証券市場におけるIPOとPOは、両方とも企業が公開市場で株式を売り出す方法を指す用語ですが、その内容や目的には顕著な違いがあります。

IPO(Initial Public Offering)は、未上場の企業が初めて公開市場で株式を発行・売り出す行為を指します。IPOを通じて、企業は大きな資金を調達することが可能となり、成長や事業拡大のための資本を得られるのです。

IPOのプロセスは複雑で、新たな投資家に株式を紹介し、企業の価値を適切に評価するための多くの手続きを必要とします。

一方で、PO(Public Offering)は、すでに上場している企業が追加で株式を公開市場で発行・売り出す行為を指します。この方法で企業は新たな資金を調達が行えるため、新しいプロジェクトの資金需要や負債の返済のために使用されることが多いです。

要約すると、IPOは企業が「初めて」公開市場で株式を発行する際の行為を指し、POはすでに上場した企業が追加の株式を売り出す行為を指します。

これらの違いを正確に理解することは、投資判断の際の重要なポイントとなります。

IPOが企業・株主・従業員にもたらすメリット

IPOが企業・株主・従業員にもたらすメリット

IPO、すなわち企業の公開市場デビューは、多くのメリットをもたらします。企業の成長資金調達、株主の資産の流動性向上、そして従業員のモチベーションや報酬の拡大といった利点などがあるのです。

このセクションでは、IPOがそれぞれの関係者にどのようなプラスがあるのか、詳しく探っていきます。

CONTENTS

  • 1.企業のメリット
  • 2.株主のメリット
  • 3.従業員のメリット

企業のメリット

企業がIPOを選択する背景には、多様なメリットが存在します。IPOを通じて、企業はその発展と継続的な成長のための強固な土台を築けるのです。

まず、金融機関を始めとした外部からの資金調達が容易になります。上場することで企業の信用力が高まり、低金利での資金調達や、新たな事業展開のための外部からの資金調達が容易になるのです。

次に、IPOのプロセスを通じて、企業の経営体制や社内体制が強化される点も大きなメリットとしてあげられます。上場準備の中で、経営の透明性を高める取り組みやコーポレートガバナンスの整備が求められ、これが企業の健全な経営をサポートします。

さらに、企業の知名度や価値も大きく向上するでしょう。上場企業としての露出が増えることで、一般の認知度が上がり、ブランド力や企業価値が高まる効果が期待できるのです。社会的信用度の向上により、取引先との関係も強化され、ビジネスチャンスが増える可能性が高まるでしょう。

最後に、IPOは人材採用においても大きなメリットをもたらします。上場企業としての安定感や魅力が増すことで、優秀な人材を引き寄せやすくなります。とくに、成長を続ける企業にとっては、新たな才能の獲得は不可欠です。

総じて、IPOは企業の成長と発展を後押しする多くの利点を提供します。

株主のメリット

企業のIPOは、株主にとっても多くの利点をもたらします。とくに、既存株主はその効果を直接的に体感できるでしょう。

最も顕著なのは、既存株主の保有株の資産価値が向上する点です。企業が公開市場に上場すると、その企業の知名度や信用性が向上し、多くの場合、株価が高まることが期待されます。この結果、既存株主の資産価値が大きく増加する可能性が高まるのです。

さらに、保有する株式の現金化も容易になります。未上場の時点では、株式の売買は一定の制約がありますが、上場によって証券取引所で自由に株式が取引できるようになり、需要と供給にもとづく市場価格で株を売買することが可能になるのです。

また、IPOが実施される企業は、将来の成長が期待される企業が多いため、株主はその成長を資産価値の増加として享受できます。言い換えれば、期待値が高く、その結果として利益が出やすいというメリットが生まれるのです。

最後に株式の流通性が大きく向上します。上場により、多くの投資家がその企業の株式を手に入れられるようになるため、株式の流動性が高まるのです。これにより、株主は自分の投資戦略に合わせて、保有株を迅速に売買できるようになります。

これらのメリットを考慮すると、企業のIPOは株主にとっても非常に魅力的な選択肢といえるでしょう。

従業員のメリット

企業のIPOが成功すると、その恩恵は経営者や株主だけでなく、従業員にもおよびます。

まず、企業の上場は、企業価値の大幅な向上を意味します。この企業価値の上昇は、従業員の働く場所のブランド価値や認知度を高め、職場への誇りや帰属感を増強させる可能性があるでしょう。

上場企業で働くことは、キャリアの観点からも高い価値が認められることが一般的であるため、従業員自身の市場価値や評価が上がることが期待されます。

次に、上場準備の過程では、従業員に対して多岐にわたるスキルや知識を習得する機会の提供が可能です。IPO準備には、会計や法律、コーポレートガバナンス、IR(投資家対応)など、多様な専門分野の知識やスキルが求められます。

このプロセスを通じて、従業員はこれまでの業務範囲を超えた経験や知識を積むことができ、キャリアの幅を広げることが可能となります。

また、IPOは企業の成長を後押しする要因の一つであるため、その成長に伴い、新たなポジションの創出や昇進の機会が増えることも考えられるでしょう。

これらのメリットを通じて、従業員は自らのキャリアの向上や、働く環境の向上を実感できるのです。

IPOが企業や株主に与えるデメリット

IPOが企業や株主に与えるデメリット

IPOは、企業に多くのメリットをもたらす一方で、新たな課題や負担も生じます。上場企業となることで、透明性の要求や業績へのプレッシャーが増加し、経営の柔軟性が制約されることも予想されるでしょう。

また、株主にとっても、株価の変動リスクや情報開示の過多による混乱が生じる可能性があります。このセクションでは、IPOのデメリットに焦点を当てて解説します。

CONTENTS

  • 1.企業のデメリット
  • 2.株主のデメリット
  • 3.従業員のデメリット

企業のデメリット

IPOによる上場は、多くの企業にとって大きな一歩となりますが、それに伴うデメリットも無視できません。まず、上場企業としてのステータスを維持・拡大するための絶えず増大する業績のプレッシャーがかかることとなります。

四半期ごとの決算発表を控えるたびに、短期的な業績向上が求められる状況が続くことも考えられるでしょう。

次に、IPOに向けた準備や上場後の維持管理には、多大な人的・資金的・時間的コストがかかります。とくに、上場準備には外部の専門家のサポートや内部体制の見直しなど、複数の手続きや作業が求められるため、業務の効率化やリソースの確保が必須となります。

また、すべての企業が上場できるわけではありません。特定の審査基準をクリアする必要があり、資本基盤、業績、経営陣の実力など多くの要件が設定されています。

これらの要件を満たすことができないと、上場の夢は叶わないのです。したがって、上場はたしかにメリットが大きい反面、その背景には多くの課題や努力が求められるものとなっています。

株主のデメリット

IPOにおける新規上場企業への投資は、多くの株主にとって魅力的な機会となることが多いです。しかし、これには一定のリスクも伴います。まず、新規上場企業の投資リスクは、一般的な株式投資と比べて高いとされています。

多くの新規上場企業は、まだ経営履歴が短く、業績の安定性が低いため、株価の大きな変動が起きやすいのです。そのため、短期的な株価の急落によって大きな損失を被る可能性も否めません。

さらに、公募株への投資は非常に人気がありますが、そのために公募株への当選が難しくなっています。とくに、話題となる企業や期待される企業の場合、多くの投資家が公募株を求めるため、抽選となることが多く、当選する確率が低くなることも少なくありません。

これらの点からIPO投資には高いリターンを期待する一方で、それに伴うリスクも高まるといえます。

したがって、投資を行う際は十分な情報収集とリスク管理が不可欠であり、無闇に投資をすることなく、しっかりとした投資判断を下すことが求められます。

従業員のデメリット

企業が上場することは、多くの面でその企業の従業員に影響をおよぼします。とくに、IPOに伴う変化は、従業員の業務環境や働き方にとっても大きな変動を与えることになるでしょう。

まず、上場企業としてのコンプライアンスや透明性を求められるため、社内規則の改定や業務フローの再構築が必要となります。日々の業務や報告書類の作成方法、会議の進め方など、これまでの方法から大きく変わることが求められることもあります。

このような変更への適応は、慣れ親しんだ業務内容を変えることになるため、社員によってはストレスとなる場合もあるでしょう。

さらに、上場企業として求められる業務のレベルやクオリティが大きく上がることも考えられます。市場や投資家からの評価が厳しくなるため、従業員一人ひとりの業務の質が問われるようになるのです。

また、IPOに向けた準備期間は、多くの従業員にとって業務量の増加をもたらすでしょう。とくに、財務や経営関連の部署では、IPOに向けての情報開示や審査への対応が増えることから、通常の業務に加えての負担が増大します。

これらの変化により、従業員の業務負荷やストレスが高まる可能性があるため、企業側のサポートや体制の整備が不可欠であることを理解しておきましょう。

IPOの一般的な上場スケジュール

IPOの一般的な上場スケジュール

企業が株式市場に新たに上場する際、IPOというプロセスを経る必要があります。このIPOの過程は一連の手続きや審査から成り立っており、あらかじめ定められたスケジュールに従って進行します。

CONTENTS

  • 1.監査法人などの選定・契約、外部監査の準備(上場申請の3~4年前)
  • 2.外部監査の開始(上場申請の2年前)
  • 3.社内体制の強化、外部監査の続行(上場申請の1年前)
  • 4.上場申請、上場

このセクションでは、IPOの一般的な上場スケジュールと、その各ステップで行われる主要な活動を詳しく解説していきましょう。

1.監査法人などの選定・契約、外部監査の準備(上場申請の3~4年前)

企業がIPOを目指す場合、上場の申請を行う約3~4年前から具体的な準備を開始することが多いです。その第一歩として、上場を希望する市場や証券会社に応じて、少なくとも2年間の監査証明が必要とされます。

このため、企業はこの段階で監査法人やIPOに関連する業務をサポートする会社を選定し、契約を締結します。

ショートレビューと称される簡易監査を初めに受けることで、企業は自らの経営体制や財務状況の実態を把握し、必要な整備や改善を行うのです。これは、後の本格的な外部監査をスムーズに進めるための大切なステップとなります。

そして、この時期には「公開準備室」や「上場準備室」といった専門の部署を設立し、IPOに向けた社内の体制整備や上場申請に必要な書類作成などの業務を進める体制を構築する必要もあるのです。

この組織的な準備は、IPOへの道のりを確実にし、スムーズに進行させるための鍵となります。

2.外部監査の開始(上場申請の2年前)

IPOを目指す企業にとって、外部監査は不可欠なプロセスです。というのも、IPOの申請には最低2年分の監査証明が求められるからです。企業がショートレビューを受けて社内体制を整えた後、外部監査が行われます。

この段階で、すでに改善された社内体制のもとでの運営を実際に体験しながら、外部の専門家たちからの監査を受けることとなります。

外部監査の過程で、監査法人からの具体的なフィードバックやアドバイスが企業に提供されることが一般的です。たとえば、内部統制の強化や指示体系の明確化、業務フローの効率化といった点に関しての指摘や提案が行われることが多いとされています。これらのフィードバックをもとに、企業はさらなる社内体制の強化や改善を進めていきます。

この2年間の監査過程は、企業の透明性や信頼性を高め、将来的な株主や投資家からの信用を得るための重要なステップとなるのです。

3.社内体制の強化、外部監査の続行(上場申請の1年前)

上場を目前に控え、企業は最終的な仕上げとして、外部監査からのフィードバックを基に社内体制の強化を急ピッチで進めます。直前々期の監査結果をもとに、企業はそれまでの経験と学びを活かしてより透明性の高い運営を目指します。

この時期の外部監査はとくに厳しい目を通されることが一般的で、そのフィードバックは企業のさらなるブラッシュアップに役立つでしょう。

上場に向けた重要なタスクとして、上場申請書類やその他関連書類の作成もこの時期に進行されます。これらの書類は、企業の経営状態や将来展望を詳細に示すものであり、投資家や市場関係者に対する企業の第一印象を左右する重要な資料です。

そして、主幹事となる証券会社の審査もこの時期に行われます。これにより、上場に向けた準備が一段落となるのです。

4.上場申請、上場

企業が上場を果たすための大きな一歩として、監査証明書を含む申請書類を証券取引所に提出します。この申請は企業の信頼性や将来性を示す大切な手続きです。

申請の提出を受けて、証券会社は審査を開始します。初めに形式基準の審査が行われ、書類に不備がないか、基本的な要件を満たしているかをチェックします。

形式基準をクリアすると、次は実質基準の審査です。この段階では、企業の実態を深く探るための実地調査、経営者との面談、説明会などが実施されるのです。

ここでの審査は、企業の財務状態や経営方針、市場に対する戦略など、多岐にわたる要素が評価されます。

すべての審査基準を満たすことで、企業は上場の許可を得られるのです。上場の確定を受け、企業は証券会社と正式に上場契約を締結します。そして、企業が上場したことが一般の投資家や関係者に向けて公表されるのです。

IPOに必要な費用の内訳と金額の目安

IPOに必要な費用の内訳と金額の目安

IPOを成功させるためには、多くの費用が発生します。これは、上場申請だけでなく、その準備や審査にも関連してくることです。

具体的な費用は企業の規模や選択する市場によって異なりますが、おおよその目安として、上場に向けた全体の準備費用は約2,400万円〜8,000万円となります。

以下に、主な費用の内訳例と目安を示します。

監査法人からの短期調査費用
100~400万円
監査費用
400~1,500万円
上場審査料
プライム市場:400万円
スタンダード市場:300万円
グロース市場:200万円
新規上場審査料
プライム市場:1,500万円
スタンダード市場:800万円
グロース市場:100万円
証券会社など引受手数料
公募総額の5~9%ほど
証券会社のコンサルティング費用
400~1,500万円
証券事務代行費用
400万円ほど

これらの費用は概算であり、実際の企業や市場の状況に応じて変動する可能性があります。しかし、上場を目指す企業は、これらの費用を事前に把握し、資金計画をしっかりと立てることが求められます。

IPOの主な審査項目と基準は?

IPOの主な審査項目と基準は?

企業が株式市場に上場する際、その資質や健全性を確認するために一連の審査が行われます。この審査は、企業の財務健全性、経営の透明性、将来の成長性など、多岐にわたる要素を厳しくチェックするものです。

CONTENTS

  • 1.事業計画
  • 2.流動性
  • 3.ガバナンス

それでは、IPOの審査でとくに重要視される主な項目と基準について詳しく見ていきましょう。

事業計画

企業が株式市場に上場するためには、長期的な安定した経営を目指すための合理的な事業計画の存在が不可欠です。上場を継続的に維持し、投資家の利益を確保する視点から、企業の将来像を示す事業計画書は審査の重要なポイントとなります。

審査の際、事業計画書が適切に作成されているか確認される要点は二つです。

1点目は、事業の内容が社会を取り巻くビジネス環境や社内外からのリスクなどを踏まえた内容となっていること。

これには市場の動向や業界内の競争状況、技術の進化など、さまざまな要因を考慮し、それにもとづいて合理的な計画が策定されているかが重視されます。

2点目は、その事業計画を具現化するための経営の基盤や事業体制が確立している、あるいはその確立が近い将来に見込まれるかどうか。

これには人材の確保、技術や知識の蓄積、経営資源の確保など、実際の事業活動を支える要素が整っているかが評価されます。

流動性

株式市場に上場する企業の健全性を評価するための重要な指標の一つが「流動性」です。流動性は、企業が短期的な負債を満たす能力、つまり資産の中で短期間内に現金に変えられるものの量を示すものであり、その高低は企業の財務健全性を示すバロメーターとなります。

高い流動性を持つ企業は、予期せぬ経済の変動やリスクからの影響を受けた際にも、その打撃を和らげる能力があると判断されます。一方、流動性が低い企業は、資金繰りに問題を抱える可能性が高く、投資リスクが高まると判断されるのです。

上場を目指す企業にとって、十分な流動性を確保していることは、投資家や市場の信頼を得るための基本的な条件となります。証券会社や投資家は、流動性の高さをもとに企業の財務状態や経営の安定性を判断しているため、投資判断の重要な基準として位置づけているのです。

ガバナンス

上場企業の質を保証する上で、コーポレートガバナンスと内部管理体制の整備は不可欠です。これは、企業の経営透明性を確保し、ステークホルダーの利益を守るための重要な要素となります。

IPOを志す企業においては、そのビジネスのスケールや成熟度に合わせて、適切なガバナンス体制が築かれているかが審査の対象となります。

とくに注目されるポイントは以下の5つです。

  • ・役員の適切な配置や役割分担により、業務が円滑に遂行される体制が整っていること
  • ・内部管理のメカニズムが適切に設計・運用され、経営の監督と評価が行われていること
  • ・内部管理をサポートし、その品質を保証するための専門的な人員の配置が確保されていること
  • ・会計処理の適切性が保たれ、企業の財務状況が公正に反映されていること
  • ・法令を順守し、不正や違法行為を未然に防ぐための体制や取り組みが適切に行われていること

これらの要件は、投資家の信頼を得る上での基盤となるものであり、上場企業としての社会的責任を果たすための基本的な指標です。

上場までの経営者のサポートならエグゼクティブコーチングサービス「社長のふくろう®」におまかせ!

上場を目指す経営者が直面する多様な課題。日々の忙しさに追われ、経営の方向性や社員の主体性、事業承継といった重要なテーマに十分な時間を割けずにいるなら「社長のふくろう®」によるエグゼクティブコーチングを利用してみてはいかがでしょうか。

「コーチング」によって、経営者の悩みを解消し、組織の将来を明確にするための進化と成長のプロセスが提供されます。しかし、すべてのコーチングが経営者のニーズに応えられるわけではありません。それを可能にするのが「エグゼクティブコーチング」、そして「社長のふくろう®」です。

「社長のふくろう®」は、経営者特有の視点を持つエグゼクティブコーチングのプロフェッショナルです。「社長のふくろう®」が提供するのは単なる対話ではなく、経営者の真の課題に深く寄り添い、独自の解決策を提示するサポートとなります。

特徴としてあげられるのは、その高いコーチング力と、さまざまな業種や背景を持つ社長たちの悩みに真摯に向き合った豊富な経験値です。さらには、コーチングセッション後もPDCAの実践サポートを提供し、必要に応じて具体的なソリューションの提案まで行います。

単なるアドバイスや指示ではなく、経営者自らが答えを見つけ出す手助けをする「社長のふくろう®」。そのサービスは、経営者の夢やビジョンを実現する強力な味方となるでしょう。

社長のふくろう®について知りたい方はこちら

まとめ:IPOのメリット・デメリットを把握し、しっかりと計画を練って進めよう!

上場を目指す企業は多岐にわたる要件と課題に直面します。最初のステップとして、IPOに関する必要な費用やその詳細な内訳を正確に理解し、適切な資金調達計画を策定することが要求されます。さらに、上場を成功させるためには、具体的かつ現実的な事業計画の提出が不可欠です。

その計画は、企業の事業内容、環境、リスクを考慮したものであるべきです。また、企業の健全な経営を保証するための流動性の確保が求められます。さらに、企業の経営品質を保つための健全なコーポレートガバナンス体制の構築とその維持も重要といえるでしょう。

これらの要件を満たす過程で、経営者は数多くの課題解決や経営判断を求められます。上場という大きな目標に向かって、これらの要件を整えることは、企業の成長と持続的な成功に向けた基盤を築くための鍵となります。

経営者の課題解決から夢やビジョンの実現をサポートしてくれる「社長のふくろう®」のエグゼクティブコーチングをご利用してみてはいかがでしょうか?

 

社長の悩みには、社長専門のコーチングを。

こんな悩みをお抱えの方にオススメ

  • 未来のビジョンを明確にしたい!
  • 経営課題と向き合い、優先順位を整理したい!
  • 忙しさに追われ日々時間だけが過ぎていく…
  • 経営についての悩みを専門家に聴いてほしい…
  • コーチングに興味がある

まずは無料でコーチング体験

無料で体験する

他のコラムも、ぜひご覧ください!

ぜひ、“社長のふくろう”の
セッションを体験してみませんか?

セッションを体験する2回まで無料