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経営者の感じる「孤独」とは?孤独との向き合い方、良い相談相手を得るための方法について解説

2024.03.01

経営者の感じる「孤独」とは?孤独との向き合い方、良い相談相手を得るための方法について解説

「経営者は孤独」とよく言われます。

毎日のように大きな決断を下し、自分で責任を負わなければならない経営者。誰にも相談できず、1人で悩みを抱えて、精神的に疲弊してしまう人も少なくありません。

経営者にとっての孤独とはどのようなものなのか、なぜ孤独を感じやすいのか、そして、経営者が悩みを相談できる相手を見つけるには、どのような方法があるのか、この記事では、経営者と孤独について、解説します。

「経営者は孤独」は本当なのか?

「経営者は孤独」は本当なのか?

世の中の経営者たちは、本当に孤独を感じているのでしょうか?

自ら会社を立ち上げ、やりたい夢に向かって挑戦を続け、多くの従業員やステークホルダーと手を携えて成長を続けている……一般の人たちが抱く、そして経営者自身が「自分以外の経営者はこんな感じではないか」と思い描く経営者のイメージとは、そうしたビジネスの世界で華々しく活躍する姿かもしれません。日々忙しく、事業をすすめる上での悩みは当然あるけれど、「孤独」とはそれほど縁がない、経営者はそんな印象をもたれがちです。

そもそも「孤独」とは、「仲間や身寄りがなく、ひとりぼっちであること。思うことを語ったり、心を通い合わせたりする人が一人もなく寂しいこと」(参考:コトバンク「孤独」)とされています。

その人自身の主観によるところが大きいため、明確な線引きはありませんが、いろいろな調査を紐解くと、実は、孤独を感じている経営者は少なくないと言えます。

デジタル・メンタル・プラットフォームを開発している株式会社Awarefyが全国の20〜60代の社長・CEOを対象に行ったアンケート調査によると、「孤独を感じたことがありますか?」という設問に対して、44.3%、半数近くが「とてもある」「ややある」と回答しています。

また、中小企業庁の「小規模企業白書(2020年)」によると、例えば非製造業で従業員の数が1人から5人の会社経営者では、36.0%、3人に1人以上が日常的な相談相手について「いない」と回答しています。

こうした結果からは、孤独を感じている経営者が少なくないと考えられます。

経営者が孤独を感じやすい理由とは

経営者が孤独を感じやすい理由とは

どのようなときに孤独を感じるかは人によってさまざまですが、経営者は、仕事内容や組織における立ち位置から、より孤独を感じやすいと言えます。その理由としては、次のようなことが考えられます。

CONTENTS

    • 1.大きな責任を負い、自分自身で判断しなければならない
    • 2.社内に自分と同じ立場の人間がいない
    • 3.仕事に関係がない社外の人からは理解を得づらい

大きな責任を負い、自分自身で判断しなければならない

経営者は、毎日が判断の連続です。時には会社の行末を左右する大きな決断を行い、結果に対する責任も自らとらなければいけません。これこそが、経営者が孤独を感じる最も大きな理由の一つと言えるでしょう。

会社や従業員の将来を背負い、厳しいビジネスの世界で判断し続けることは相当なプレッシャーがかかりますし、ストレスや不安が大きくなることもあるはずです。誰かに相談したり、アドバイスをもらったりすることはできますが、多くの場合、最終的な決断は、経営者が1人で考え、自ら下さなければなりません。

そして、決断の責任を負うのも自分自身です。判断を誤り良くない結果になったら…そんな重圧と日々戦い1人で決断しなければならない経営者は、孤独を感じやすいといえます。

社内に自分と同じ立場の人間がいない

従業員という立場であれば、仕事に関する悩みがある場合、上司に相談して対処をしてもらったり、同僚と飲みに行って愚痴を言い合ったりして、ストレスを軽減することが可能です。

しかし経営者の場合は、上司も同僚も社内にはいません。会社のことをよく理解している従業員たちは全て部下で、雇う側と雇われる側という関係です。経営者としての悩みを打ち明けるわけにはいきません。ましてや、事業が厳しい、組織づくりがうまくいかないなどといった問題を当の従業員たちに打ち明けることはできないはずです。

役職のある経営幹部であれば、日々仕事として業務に関する相談をしていると思いますが、それでも、経営者ならではの悩みや孤独を同じ立場に立って理解することはなかなかできないのではないでしょうか。

自分の会社のことを最も理解している社内の人たちと、経営者は同じ立場でものを考えることができない…そうした経営者としての特性も、孤独を感じる理由の一つと言えます。

仕事に関係がない社外の人からは理解を得づらい

自身の仕事と直接関係がない社外の人であれば、利害やしがらみもなく、社内の人間よりも相談がしやすいかもしれません。

しかし、仮に聞いてもらうことはできても、企業経営の経験がない人や、業界に理解のない相手だと、そもそも相談内容に対してわかってもらうことが難しくなってしまいます。また、社外に詳細を話すわけにはいかない悩みも多くあることでしょう。社外の人に相談しようとしても、相手や悩みの内容によっては、単に愚痴を吐き出すだけに終わってしまう可能性があります。

また、特に若い世代の経営者の場合、企業経営者としての悩みは、一般的な同世代の人たちからはなかなか共感を得づらいものです。起業後、学生時代からの友人とも距離ができてしまったという経営者も多くいます。

こうした状況も、経営者が孤独を感じやすい理由の一つと言えるでしょう。

経営者は、孤独を受け止めるべき?

経営者は、孤独を受け止めるべき?

起業家でもあった発明王のトーマス・エジソンは「最上の思考は孤独のうちになされ、最低の思考は混乱のうちになされる」という言葉を残しています。

エジソンの言葉が経営者としての孤独を指して言ったものかどうかは不明ですが、経営者にとって孤独は「必要なもの」と捉える人もいます。経営者が自分自身の責任において判断し、企業をあるべき方向に導いていくためには、周囲の雑音に惑わされることなく、1人で深く思考を巡らせる時間が必要不可欠だという考え方です。

確かに、寂しい時間を埋めるためにいつも群れをなしたり、何かあるたびに周囲を頼って1人で自分自身と向き合う時間を持たないことは、経営者にとって良い環境とは言えないでしょう。

しかし、経営者も人間です。事業のかじ取りに悩む時、精神的な負担が大きくどうしようもなく辛い時もあるはずです。ビジネス経験が豊富な相手に相談したり、信頼できる相手に悩みを打ち明けたり、時には周囲の力を借りて孤独を軽減することは、決してマイナスではないはずです。

先ほどご紹介した中小企業庁の小規模企業白書によると、日常的な相談相手がいる人は、いない人に比べて事業を拡大したいと考えている人の割合が高く、さらに、日常の相談相手がいる人の方が、経常利益の傾向について「大幅増加」又は「増加」と回答する割合が高くなっています。この結果からは、何かあったときに相談できる相手がいる経営者の方が、事業を成長させる意欲を持ち、実際の利益も出せる可能性が高いといえるのではないでしょうか。

経営者にとって、孤独はある意味必要なのかもしれません。お伝えしたように、最終的に判断するのは経営者であり、結果に対する責任を取るのも自分自身です。しかし、必要な孤独を受け止めつつも、時には相談できる、信頼して話ができる相手が経営者には必要です。孤独と上手く付き合いながらも心の負担を軽減し、前向きに事業をすすめるために、良い相談相手は経営者にとって必要不可欠と言えるでしょう。

経営者にとっての良い相談相手を得るために

経営者にとっての良い相談相手を得るために

経営者が良い相談相手を得るためには、どのような方法があるのでしょうか。主なものをご紹介します。

CONTENTS

    • 1.経営コンサルタントに相談する
    • 2.エグゼクティブを対象としたコーチングを依頼する
    • 3.経営者コミュニティに参加する

経営コンサルタントに相談する

会社が抱える難題を解決する相談先の一つとして挙げられるのは、経営コンサルタントです。経営コンサルタントは、企業の経営状態を調査し、中長期計画を作成したり、特定の課題に対する解決策を企画立案したりします。業務の効率化、組織作り、事業構造の変化など、相談できる内容は多岐に渡ります。幅広い知識を持つプロと言える経営コンサルタントは、経営者が企業経営について相談できる頼もしい相手と言えるでしょう。

しかし、経営コンサルタントは経営者個人の問題や内面的な悩みにはタッチしないのが一般的です。孤独を解消したい、時にはプライベートな悩みも聞いてくれる、気軽に相談できる相手がほしいという場合には、少し物足りないと感じてしまうかもしれません。

エグゼクティブを対象としたコーチングを依頼する

コーチングを通じて経営者に寄り添い、中長期にわたって企業経営をサポートしてくれるのがエグゼクティブコーチングです。

コーチングを行うコーチの中でも、経営者などを対象にしたエグゼクティブコーチングを実施しているコーチは、ビジネスに関する知識も豊富で、多くの経営者の成功事例・失敗事例などを知っています。また、経営コンサルタントとは異なり、エグゼクティブコーチングの多くが、経営している企業のことのみならず、家族のこと、引退後の人生のことなど、経営者個人の問題についてもコーチングの内容に含めているため、経営者の人生に伴走してくれる、心強い味方となってくれることが期待できます。

しかし、コーチングの場合は、具体的な事業に関する企画立案を依頼したり、経営計画の作成をお願いしたりはできません。解決に向けて動くのは経営者自身であり、コーチはあくまでコーチングを通じたサポート役となります。

経営者コミュニティに参加する

外部のエキスパートに相談するのではなく、自分と同じような立場で経営者としての悩みを理解してくれる仲間がほしい場合は、経営者コミュニティに参加するのも一つの方法です。

経営者が集まる経営者コミュニティは、現在、さまざまな形のものが各所で開催されています。リアルな場の食事会で情報交換をしたり、オンラインで何かのテーマに沿った勉強会をしたり、参加すると他の経営者と交流を深めることが期待できます。

女性限定、40代までなど参加条件を絞ったものや、現役経営者に限らず今後起業を考えている人や投資家も参加しているものなど、参加している人の顔ぶれも会によって異なるため、自分にあった経営者コミュニティを見つけることが大切です。気の合う経営者仲間と知り合うことができれば、孤独の軽減だけではなく、ビジネスに有益な情報収集や新たな事業展開などにもつながるかもしれません。

ただし、相手はこちらの業界や事業について詳しい知識を持っているとは限りませんし、当然ながら、相手は誰かの悩みに耳を傾けるために経営者コミュニティに参加しているわけでもありません。まずは知り合いを作り、良い出会いがあってその後もお付き合いを継続できれば、経営者ならではの悩みを相談できる相手に将来的になってくれるかもしれない、という程度の温度感で、参加を検討することが無難です。

まとめ

まとめ

少なくない経営者が、良い相談相手を見つけられず、孤独を感じています。

経営者という立場上、孤独と完全に切り離されることは難しいかもしれませんが、良い相談相手を見つけることができれば、気持ちの負担を軽減し、重圧に打ち克って前向きにビジネスをすすめていく大きな力となるはずです。

最終的には、経営者が1人で考え判断を下すとしても、長きにわたって企業を経営していくには、信頼できる相手とのコミュニケーション、安心して話ができる相手の存在は必要不可欠です。

良い相談相手を見つけて、自身の孤独と向き合いつつ、ビジネスを成長させていきましょう。

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