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経営者の意思決定とは?プロセスと質を高める方法を徹底解説

経営者にとって、「意思決定」は最も重要な仕事の一つです。VUCA時代とも言われる現代、ビジネス環境は目まぐるしく変化し、先を見通すことは簡単ではありません。そうした状況で経営者は、資金配分、人材登用、新規事業のGO/STOPなど、情報が十分に揃わない中で、意思決定をしなければなりません。
経営者の意思決定によって、会社の未来は大きく変わりますが、どのような選択をすれば成功するか、絶対的な正解は誰にもわかりません。時には、自分の考えが正しいのかどうか不安に駆られ、決定を下すことに恐怖を感じるでしょう。
そうした不安を少しでも和らげ、経営者として自信を持って意思決定をするためには、陥りやすい落とし穴を避け、適切なプロセスを経る必要があります。
本記事では、経営者が意思決定をするためには何が必要か、具体的な手順や考え方について、詳しく解説します。
経営者に必要な「意思決定」とは

「マネジメントの父」と称され、企業経営に関しても数々の名言を残したピーター・ドラッカーは、「意思決定は機械的な仕事ではない。リスクを伴う仕事である。それは判断力への挑戦である」とし、「大切なことは、問題への答えではなく、問題についての理解である。成果をあげるために、ビジョン、エネルギー、資源を総動員することである」という言葉を残しています。
市場、競合、法規制、テクノロジーなどビジネス環境は常に変化します。その中で、経営者は意思決定をしなければなりません。企業の向かうべき方向を決める、目標達成のための道筋を決める、リスクを管理する、経営資源を配分する…経営者にとっての意思決定とは、会社の将来を大きく左右する重要なものです。
注意したいのは、「絶対的な正解はない」ということ。情報を分析し、より成功確率が高い方を選択する日々の「判断」と意思決定は異なるものだ、とする考え方もあります。ある意味「判断」は、一定の専門性や情報があれば、正解を導き出せるものである一方で、意思決定は、不確実な状況の中で経営者が自らの意思を持って成し遂げなければならないもの、とも言えるでしょう。
たとえば新規事業。未知の領域の新たなビジネスが、成功するのか失敗するのか、市場環境がどのように変化するのか、未来を正確に予測することは誰にもできません。その中で、経営者は自分たちが目指す方向性を踏まえ、今チャレンジすべきか否か、意思決定をする必要があるのです。
意思決定を行うためのプロセスとは

絶対的な正解がないからこそ、重要な事柄について経営者が自らの責任で意思決定をするためには、決定の質を上げるためのプロセスが大切です。
CONTENTS
- 1.課題を定義する
- 2.情報を収集する
- 3.解決案を設計する
- 4.メリットとデメリット、リスクを評価する
- 5.最終的な意思決定をする
- 6.実行と検証
1. 課題を定義する
何に対して意思決定をするべきなのか、問題の中身を十分に理解し、課題を定義します。
2. 情報を収集する
必要な情報を集めます。定量的なデータはもちろん、定性的な関係者の声なども含め、判断材料となるものを広く収集します。
3. 解決案を設計する
集めた情報をもとに、解決策を立案します。できれば一つではなく、この段階では複数の案を用意し、それぞれ比較できるようにすることがベターです。
4. メリットとデメリット、リスクを評価する
前の段階で立案したそれぞれの解決策について、メリットやデメリット、考えられるリスクを評価します。こちらも定量・定性両面で評価することを意識します。
5. 最終的な意思決定をする
トップとして、最終的な意思決定をします。
6. 実行と検証
意思決定は、企業としての活動のゴールではなく、スタートでもあります。重要なのは決定した内容を、熱意を持って実行に移すこと。「意思決定に絶対的な正解はない」と紹介しましたが、見方を変えると、正解にするかどうかはその後の行動次第とも言えます。また、適宜振り返りをして軌道修正をしたり、事後的に検証をしたりすることも重要です。
※※
ここに挙げたプロセスは一例で、意思決定にはさまざまなモデルがあります。時には、情報が集まり切らない中で決定しなければならないケースや、複数の案を検討する時間がないケースなども考えられます。
意思決定の「質」を高める要素

意思決定の質を高めるためには、どのようなことを意識する必要があるでしょうか。主なものをご紹介します。
CONTENTS
- 1.情報の質と鮮度
- 2.シナリオプランニング
- 3.外部の専門家・窓口の活用
情報の質と鮮度
古い・偏ったデータは、質の低い意思決定に直結します。情報の質と鮮度を保つためには、平時から市場・顧客・財務などあらゆる方面で精緻で新しいデータにアクセスできる状態を維持することが大切です。収集している情報の種類に偏りはないか、情報は常にアップデートされているかなどを確認し、必要に応じてルールを設けることなどを日頃から意識しましょう。
シナリオプランニング
最終的な意思決定をする前に、単一のシナリオだけではなく、複数のシナリオを検討することが理想です。例えば、好調/基準/逆風の3パターンを用意するなどして、意思決定の後に不測の事態が生じてもリカバー可能かどうかを評価しておきましょう。
外部の専門家・窓口の活用
決定前に、外部の意見に耳を傾けることも有効です。自分では気が付かなかった課題が見えたり、異なる視点の解決策が浮かんだりするだけではなく、壁打ちをしてもらうことで自らの頭の中を整理するというメリットも考えられます。
しかし、重要なのは、最終的には自らの責任において意思決定をすること。たとえ失敗に終わっても、当然ながら外部にその責任を押し付けることはできません。
意思決定をする際の注意点

CONTENTS
- 1.「スピード」を意識する
- 2.短期で成果を判断せず、長い目で評価をする
- 3.バイアスを意識する
- 4.成果は意思決定後の「実行」による
「スピード」を意識する
意思決定の遅れは、事業スピードの遅れにつながり、ひいては機会の損失、競争力の低下を招きます。例えば、情報収集のプロセスで欲しい情報が100%集まることを待っていると、時期を逸してしまうかもしれません。時に、「意思決定の先送り」は「意思決定をしない」と同義となることさえあります。現代のビジネスにおいて、スピードは最重要の要素です。まずは組織が動きだせるための意思決定を行い、必要に応じて軌道修正しながら前に進む、という気持ちで臨みましょう。
短期で成果を判断せず、長い目で評価をする
トップである経営者が下すべき意思決定は、日々の数字の達成ではなく、企業の未来を左右する重要事項です。目先にあるPL改善や売上向上などだけにとらわれると、本質を見失ってしまう可能性があります。短期で成果を判断せずに、長い目で見て評価をすることが大切です。
バイアスを意識する
意思決定に影響するバイアスには、さまざまなものがあります。過去の成功体験に捉われる、自らの仮説や意見に沿う情報ばかりを過大に評価して反対意見が見えなくなる、悪いことは起こらないだろうと楽観視しリスクを過小に見積もる…人間の意思決定にこうしたバイアスがかかるのは自然なことです。バイアスがあるということを認識し、自らの意思決定を客観視することを意識しましょう。
成果は意思決定後の「実行」による
意思決定の後、実際に成果を出すためには、「実行」がとても重要です。前述したドラッカーの言葉にも「成果を上げるために、ビジョン、エネルギー、資源を総動員すること」とあるように、決定の内容が正しかったかどうかは、その後どのように実行に移したかどうかによって変わります。必要に応じて撤退ラインや評価軸を定め、ゴールに向かってまい進できる体制を整えましょう。
まとめ

経営者にとって、意思決定は最も重要な仕事の一つです。しかし、意思決定を行うためのプロセスにはいろいろなモデルがあり、意思決定そのものにも、絶対の正解はありません。経営者の意思決定の質を上げるためにはさまざまなTipsがありますが、最後に必要となるのは、ビジョンを掲げ、意思と覚悟を持って決めきること、そして決めた後に胆力を持ってやり抜く力かもしれません。
fu-kurou.com では、経営者の意思決定をサポートする情報を継続的に発信しています。本記事、そして関連記事が、トップとして意思決定をする一助となれば幸いです。
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