コーチング
コラム
それぞれの成長フェーズで企業がぶつかる課題とは?解決に向けエグゼクティブコーチングを活用するメリットとあわせ、徹底解説
企業経営者などのエグゼクティブ層を対象とした、エグゼクティブコーチング。事業を興して間もない創業期、事業や組織を拡大していく成長期、ビジネスモデルが確立し定常的な売上が見込める状態になる安定期など、それぞれの成長段階において経営者がぶつかる課題の解決に、エグゼクティブコーチングは大きな効果を発揮します。
それぞれの成長フェーズによって、直面する課題の性質、解決に必要なアクションなど、検討すべき事柄は様々です。そして、課題解決のために経営者が相談する先も多様な場所があります。その中でエグゼクティブコーチングは、どのように経営者をサポートし、企業の課題を解決へと導くのでしょうか。エグゼクティブコーチングならではの利点とは、いったいどのようなものなのでしょうか。
このコラムでは、企業がそれぞれの成長フェーズで直面するよくある課題、そして経営者がそれらの課題解決のためにエグゼクティブコーチングを導入するメリットについて、詳しく解説します。
エグゼクティブコーチングとは
最初に、エグゼクティブコーチングとはいったいどのようなものか、改めて確認をしましょう。
エグゼクティブコーチングとは、企業の経営者や役員など、エグゼクティブ層を対象としたコーチングのことです。
コーチングとは、一対一の対話を通じてその人本来が持つ力を引き出し、成長を促すコミュニケーション方法の一つ。コーチングの特徴は、コーチが「答えを与える」のではなく、さまざまな角度からの質問を通じて「相談者が答えにたどり着くようサポートする」という点です。知識ややり方を教えて指導するティーチングや、具体的な解決のための戦略を立案するコンサルティングとの大きな違いと言えます。コーチングにおけるコーチの役割は、その人自身が課題に気がつき解決策を実行できるよう導くこと。その人が本来持つ可能性や能力を引き出し、成長を促します。
欧米のビジネスシーンではコーチングは当たり前の手法として定着しています。中でも経営者などを対象としたエグゼクティブコーチングは、アメリカでは企業を経営している人の約7割が導入しているとも言われ、世界的な企業のトップも、多くがコーチングを活用しています。そして、ビジネスを含め人生における多くの課題解決に、コーチからの助けを得ています。
起業前から安定期まで、企業のフェーズごとの主な課題
世界中の企業経営者が取り入れているエグゼクティブコーチングですが、それぞれのフェーズで経営者はどのような課題を持ち、そして解決に向けてどのようにコーチからサポートを受けているのでしょうか。また、経営者が課題解決について外部に相談する場合、いろいろな支援機関等がありますが、エグゼクティブコーチングから得られるサポートは、どのような点が優れていると言えるのでしょうか。
この段落ではまず、企業の成長フェーズを創業期、成長期、安定期の3つに分け、それぞれの段階にある企業が抱える悩みの代表例をご紹介します。
CONTENTS
- 1.創業期によくある課題
- 2.成長期によくある課題
- 3.安定期によくある課題
1. 創業期によくある課題
起業したばかりの創業期は、自社の事業のやり方も確立しておらず、多くの企業が成功に向けて試行錯誤しています。解決すべき課題が、毎日のように新しく出てくる時期とも言えるでしょう。
代表的な課題として挙げられるのは、資金繰りです。資金繰りに関しては、創業期に限らず特に規模の小さな企業はどこも苦労する課題の一つです。創業時においては特に、取引先をこれから確保しなければならない、予測できる安定した売上がない、想定外の経費が必要になるなど、事業を始めたばかりの企業ならではの資金繰りの難しさがあると言えるでしょう。
また創業期は、自社の製品やマーケットにとって最適なビジネスモデルを確立する、販路の拡大をするなど、事業に直結したさまざまな事柄に取り組み、まずは事業を軌道に乗せる必要があります。時には失敗したり、どのようにすすめるべきか迷ったり、壁にぶつかる企業も少なくありません。
さらに、新たにビジネスを始めた直後は、急に働き方が変わって仕事に費やす時間が増え、それまでと生活リズムなどがガラッと変化するケースも多いことでしょう。2017年度版の中小企業白書によると、創業期の企業が直面している課題としては、「家族の理解・協力」が資金調達に次いで多い結果となっており、「起業に当たりまだ家族の理解が十分得られていないといった、創業期特有の課題を抱えている」と紹介されています。
2. 成長期によくある課題
次に、成長期の企業がぶつかるよくある課題をみてみましょう。
事業が軌道にのり会社が成長してくると、創業時にはなかった課題も新たに出てきます。特に多いのが、人が増えてきたことによって起こるトラブルです。お互いを良く知る限られたメンバーだけで会社を運営していた創業時とは異なり、成長期には新たな従業員も増え、メンバー全員が同じ方向を見て仕事をすることが難しくなってきます。そのため、例えばミッション・ビジョン・バリューや企業理念を作るなど、会社として何を目指すのかをわかりやすく言語化する必要が出てきます。
また、人が増えてくると、1人のトップが全ての従業員に目を配り密にコミュニケーションを取ることが、なかなかできなくなってきます。経営者の考えを部下に浸透させるリーダー的なポジションを間に作るといった組織づくりや、評価や育成の仕組みの構築など、会社としてのさまざまな体裁を整えなければなりません。人事関連だけではなく、法務や総務といった組織も成長に伴い必要となってくるでしょう。
さらに成長期においても、事業成長のためのさらなる資金調達や販路拡大は継続した課題と言えます。成長するにつれ、事業に直結した課題はもちろん、社員のことや組織のことなど、創業時にはそれほど必要なかった事柄に意識を向ける必要が出てくるのが、成長期と言えます。
3. 安定期によくある課題
特に近年の安定期の企業が直面しているのは、「変革を起こせない」という課題です。少子高齢化による労働力不足、世界情勢の不安定化など、これまでのやり方を続けていては持続的な成長は見込めない…これが、多くの企業が認識している現状です。しかし、安定期の企業は、その多くが成功体験を持っているが故にそれまでのやり方に固執してしまい、時代の変化に伴い必要な業務改革ができない、イノベーションを起こせないといったジレンマに陥りがちです。例えば、歴史ある大企業が、国を挙げて推進しているDX推進に苦労しているといった事例は、まさに安定期の企業ならではの課題の代表例と言えるでしょう。
また、安定期の企業の多くが、人材の確保や育成にも苦慮しています。人材面の課題は安定期の企業に限ったものではありませんが、特に安定期の企業は、外部から新たな風を入れて第二の成長に向けた事業開発をしたり、業務改革のためにベテラン社員のリスキリングをしたり、特に高い水準の人材確保・育成が必要不可欠です。事業が大きくなり安定したとしても、経営者に悩みは尽きません。
フェーズごとの課題解決のために、エグゼクティブコーチングを受けるメリットとは
ご紹介したように、企業はその成長段階によって異なる課題を持っています。そして、その課題解決を支援してくれる外部の相談先としては、エグゼクティブコーチングに限らず、経営コンサルティングや地域の商工会議所、経営者コミュニティなど、多様な種類のものがあります。それぞれ、特徴や強みがありますが、その中でエグゼクティブコーチングを導入することは、経営者にとってどのようなメリットがあるのでしょうか。
CONTENTS
- 1.課題を整理した上で自身の内面と向き合い、解決策を自ら導き出せる
- 2.都度フィードバックを受けながら、中長期で伴走してもらえる
- 3.経営している会社の事柄に限らず人生全体のサポートが受けられる
課題を整理した上で自身の内面と向き合い、解決策を自ら導き出せる
コーチングの基本は、「答えはその人自身の中にある」という考え方です。そのため、エグゼクティブコーチングでは、課題に対して解決策を考え、決定し、行動するのは、コーチではなくその人自身です。具体的な解決方法を考える過程で、コーチはその人自身にさまざまな角度から質問を投げかけ、経営者が自らの内面と深く向き合い、そして頭の中を整理できるよう導いてくれるのです。
例えば、成長期の企業が経営理念を明文化する場合、なぜ経営理念が必要なのか、明文化する目的は何なのか、自分はなぜ起業したのか、何のために事業を続けたいのか…考えるべきことは山のようにあります。そして、その答えを持っているのはコーチや外部ではなく、経営者自身です。自分の大事にしている想いや価値観を突き詰めた結果、自分一人ではなく社員と一緒に作りたいと気が付く場合や、企業理念が必要だと思う理由を深堀した結果、並行して解決すべき別の課題に気が付く場合もあるかもしれません。
エグゼクティブコーチングではなく、具体的なアウトプットをイチから作成してくれるサービスに依頼するのも一つの方法ですが、その場合は、労力をかけずに結果が手に入る一方で、経営者として考え抜いたものと比べて納得できるものになっているか、自分自身の成長につながっているか、などの点で疑問が残る結果になる可能性もあります。
都度フィードバックを受けながら、中長期で伴走してもらえる
エグゼクティブコーチングは、通常、1回受けて終わるのではなく、毎月1回程度中長期でセッションを行います。そのため、定期的なコーチングの場を通じて、課題解決の進捗具合を確認したり、結果としてどうだったのかを振り返ったり、都度フィードバックを受けることが可能となります。細かな軌道修正ができる上、ついつい後回しにしがちな、緊急ではないものの重要な事柄についても、忘れることなく必要な段階で対処をすることができます。
また、中長期で繰り返しセッションを受けることによって、自分の強みや弱み、考え方のクセなども明確になってきます。新たな課題が出てきたときに早めに対処をしたり、解決策を考える際に見落としがちな点に気が付くようになったり、経営者としての行動の質が上がってくることも期待できます。
エグゼクティブコーチングは、会社の創業期から成長期、安定期へと長い期間伴走し、経営者とその企業の成長をサポートし続けることが役割です。依頼した特定の課題が解決したらそこで終わり、ではありません。経営者はコーチと一緒に向かうべき方向を明確にし、軌道修正を繰り返しながらも、着実にゴールに向かって進んでいくことができるでしょう。
経営している会社の事柄に限らず人生全体のサポートが受けられる
エグゼクティブコーチングの良い点は、ビジネスに限らず経営者個人の人生全体についてサポートを受けられる点です。
例えば創業期には、前述したような仕事に対する家族の理解が得られないといった悩みを経営者の多くが抱えています。また、会社が創業から時を経て安定期に入り、経営を後進に譲って第二のライフプランを考える経営者もいるかもしれません。さらには、企業経営に欠かせない心身の健康を保つためには、リフレッシュできる趣味や日常生活の管理が必要となってくることでしょう。
経営者にとって、家族や趣味、日々の生活といった事柄は企業経営に密接に関わっており、そこも含めた課題解決が結果としてビジネスの成功につながります。さらには、エグゼクティブコーチングは、経営している企業の成長に関わらず、経営者その人の人生全体をサポートをしてくれるため、例えば経営者が別の会社の設立を検討するなど、特定の企業に関わらない課題についても相談することができます。
ただし、コーチングを提供している会社によってサービス内容は異なっており、セッション内容をビジネスに限定しているところもあります。また、経営者個人ではなく企業全体としてエグゼクティブ層や社員に一斉にコーチングを導入している場合などは、その企業に関するサポートに絞られる可能性もあります。経営者個人としての人生全体を相談したい場合は、契約前にサービス内容をしっかり確認しましょう。
社長のふくろう®のエグゼクティブコーチング、効果が特に期待できる企業とは?
さて、企業の成長段階ごとのよくある課題、それらの解決のためにエグゼクティブコーチングを受けるメリットについてみてきました。最後に、社長のふくろう®のエグゼクティブコーチングの特徴、強みについてご紹介します。エグゼクティブコーチングはさまざまな会社・個人が提供しており、それぞれ得意とするジャンルやサービス内容が異なっています。特に社長のふくろう®によるエグゼクティブコーチングを導入する効果が期待できるのは、一体どのような企業なのでしょうか。
CONTENTS
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- 1.比較的規模が小さい会社
- 2.オーナー企業など、経営者の影響力が大きい会社
- 3.人生全般を相談したい経営者
比較的規模が小さい会社
社長のふくろう®では、ベンチャー企業やスタートアップ、中小企業の経営者に対するエグゼクティブコーチングを特に数多く手がけています。
従業員の数がそれほど多くない中小企業の場合、経営者の成長が企業の成長にダイレクトにつながります。大企業に比べて中小企業では、経営者のリーダーとしての資質が事業成功の可否につながる割合が、比較的大きいと言えるでしょう。
仮に大企業が会社全体や事業の成長を目的にコーチングを取り入れる際は、エグゼクティブコーチングと並行して管理職にコーチングスキルを学ばせ、社員全体のマネジメントにコーチングを導入した方がより大きな効果を得られるかもしれません。
オーナー企業など、経営者の影響力が大きい会社
社長のふくろう®にエグゼクティブコーチングを依頼している経営者の多くが、自身で会社を立ち上げた創業者で、さらに、経営権も持つオーナー経営者が比較的大きな割合を占めています。
上記同様、経営者の力が大きな影響を持つ企業ほど、エグゼクティブコーチングの効果もより大きくなると考えられます。また、オーナー経営者の場合は、社長が数年で交代するケースもあまりなく、中長期でその経営者が企業を率いることが多くなります。裏を返せば、課題を発見し、解決に向けて動く必要があるのも経営者で、経営者がそこを率先しなければ、その企業の成長は見込めません。
社長のふくろう®では、オーナーはじめ多くの経営者に中長期で寄り添い、創業期、成長期、安定期とそれぞれの成長段階に必要な課題を一緒に解決してきました。それぞれの成長段階、さまざまなタイプの経営者ならではの課題は何か、解決に何が必要か、熟知している点も強みと言えます。
人生全般を相談したい経営者
社長のふくろう®のサービスを提供している株式会社ちょんまげでは、「志に寄り添い 夢を叶え 笑顔あふれる未来を創造します」を経営理念に掲げています。コーチングの内容に含まれるのは、その企業、事業にとどまらず、その人の家族、生活、日常など人生全般です。
何から手を付け足ら良いのかわからない創業期、ビジネスの拡大とともに次々と新たな課題が噴出する成長期、さらなる成長に向けて新たなチャレンジが必要となる安定期等、それぞれの課題を解決し、より「笑顔あふれる未来」につなげるためには、会社の中の出来事だけに目を向ければ良いとは限りません。社長のふくろう®で提供しているエグゼクティブコーチングでは、ビジネスの課題を解決し事業を軌道に載せるだけではなく、経営者としてより豊かな人生を得られるよう、相談者をサポートします。
ビジネスに、そして自分自身に対し理解があり、長きにわたって伴走してくれる信頼できるコーチは、経営者にとってきっと心強い存在となるはずです。
まとめ
創業期、成長期、安定期と、企業はその成長段階によってさまざまな課題に直面します。それらの課題を放置することなく、解決策を練り、ゴールに向かって組織を率いるのは、経営者にとって大切な役割です。
エグゼクティブコーチングでは、さまざまな課題について解決を導き、経営者の成長を促します。そしてコーチは、経営者に常に寄り添い、企業の成長を伴走しながらサポートします。解決したい悩みを抱え、外部に相談したいと検討している経営者にとって、きっと心強い味方となってくれることでしょう。
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