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業務効率化にAIをどう使う? 経営者のための基本から最新活用事例まで徹底解説

2025.12.26 経営者Tips

業務効率化にAIをどう使う? 経営者のための基本から最新活用事例まで徹底解説

「業務効率化を進めたいが、よい解決策が見つからない」「AIが話題だが、効率的な活用の仕方がわからない」──そんな悩みを抱える経営者は少なくありません。人材難が深刻になり、競争環境の激化が進む中、業務効率化にAIを活用することは、業種や企業規模に関わらず、すべての企業にとって避けて通れないテーマです。

本記事では、業務効率化にAIを活用するメリット、具体的な導入事例、AIを活用する際に気を付けるべき注意点などをわかりやすく解説します。

改めてなぜ今、業務効率化が必要なのか

改めてなぜ今、業務効率化が必要なのか

日本の企業を取り巻く環境は、ここ数年で大きく変化しています。大きな要因の一つが人材不足です。少子高齢化が進み労働人口が減少する中、人材が不足して事業拡大が進まない、スキルやノウハウを引き継ぐ若手がいない、事業の継続が困難━━日本企業の多くが、こうした深刻な課題を抱えています。

帝国データバンクの調査(人手不足に対する企業の動向調査 2025年4月)によると、正社員不足を感じている企業は5割を超え、半数以上に上っています。2024年度には350件もの「人手不足倒産」があり、過去最多を記録しました。特に中小企業は賃金や福利厚生、知名度などの面で大企業と競うことが難しいことが多く、優秀な人材をなかなか採用できないというのが現状です。

加えて、競争環境の変化も無視できません。デジタル技術を活用して生産性を高める企業と、従来のやり方にとどまる企業との差は、国内外で年々広がっていると考えられます。業務のムダや属人化を減らし、人でないとできない付加価値の高い業務にいかに労働力を集中させるかは、競争力を維持する大きなカギとなります。

こうした背景から、AIを活用した業務効率化は、企業の存続に必要不可欠だと言えます。

AIを活用するメリット

AIを活用するメリット

業務効率化にAIを活用する大きなメリットの一つは、生産性の向上です。

例えば、「業務報告や会議で使用する資料を作成するのに時間が取られてしまう」というのは、よくあるケースです。資料作成に多くの時間を割いてしまい、肝心の集めたデータを分析したり戦略を練ったりする時間がなくなってしまっては、本末転倒です。AIはこうした単純作業であれば瞬時に、正確に実行することができます。しかも、24時間稼働し休みを取る必要もありません。貴重な人材を人でなくてはできない仕事に注力させるためにも、AIの活用は必要不可欠です。

また、属人化の解消も重要なポイントです。例えば製造業では、ベテラン従業員の勘と経験に頼ってきた品質管理や、特定人物のみが持つ優れた技術をいかに次世代に引き継ぐかが大きな課題となっています。こうした課題に対して、誰もがその業務を遂行できるようにノウハウをデータ化し、AIを活用する取り組みが進められています。AIの導入によって業務の属人化を解消することで、再現性が高まり安定した運営が可能となり、教育コストの削減などにもつながります。

大量のデータを用いてAIを活用することで、今後の動向を予測し戦略構築やトラブルの未然防止などに役立てることも可能です。例えば生産ラインでトラブルが発生する兆候を捉えアラームを出す仕組みを構築したり、今後の在庫状況の予測を出し在庫切れを未然に防止するなど、実際の活用も広がっています。「何かが起きてから対応する」のではなく、AIによって問題が起こる可能性を事前にキャッチすることで、早めの対処ができるようになります。

業務効率化にAIを活用する具体例

業務効率化にAIを活用する具体例

CONTENTS

    • 1.資料や定型文作成など事務的な業務をAIに移行する
    • 2.問い合わせ対応を効率化する(AIチャットボット)
    • 3.「匠の技」をデータ化し共有する
    • 4.需要予測を行い在庫を管理する
    • 5.経営戦略の議論や立案に活用する

資料や定型文作成など事務的な業務をAIに移行する

定型文のメールや議事録の、資料作成など事務的な業務へのAI活用は、すぐにでも始めることが可能な領域です。大きなシステム導入やデータの準備なども不要なため、すでに取り入れている、という方も多いのではないでしょうか。総務省の情報通信白書(令和7年度版)でも、47.3%、日本企業の約半数が「メールや議事録、資料作成等の補助」に生成AIを使用していると回答しています。

問い合わせ対応を効率化する(AIチャットボット)

工場の生産ラインに用いる機械や自動化設備などの部品を取り扱う株式会社ミスミグループ本社は、顧客からの問い合わせ対応に、2025年から生成AIを活用したチャットボットを本格導入しました。3000万点を超える膨大な数の商品に関する相談や仕様確認、注文内容の確認などをAIチャットボットで対応することで、回答時間を約97%削減しています。

「匠の技」をデータ化し共有する

システムインテグレーターの株式会社日立ソリューションズは、製造現場の「匠の技」をデータ化し、AIを活用して解析した上で共有するシステム構築をソリューションとして提供しています。卓越した技術を持つベテラン従業員の引退などに伴い、生産力や品質が低下する懸念が深刻となる中で、さまざま企業がこのサービスを導入しています。

需要予測を行い在庫を管理する

コンビニエンスストア業界大手の株式会社セブン‐イレブン・ジャパンでは、2023年からAI発注システムを全店舗に導入しています。天候や曜日、過去の販売実績などのデータをもとにAIが需要を予測し、在庫がなくなる前に発注することで、品切れの防止や従業員の発注業務削減を実現しています。

経営戦略の議論や立案に活用する

キリンホールディングス株式会社は、2025年7月以降のグループ経営戦略会議に「AI役員」を本格的に導入しています。過去10年分の取締役会やグループ経営戦略会議の議事録データ、社内資料、外部の最新情報などをAIに読み込ませて、12名の人格を構築。AI人格同士が意見交換して抽出した論点を実際の経営戦略会議で経営層に提示し、多様な視点の取り入れや意思決定の質とスピードの向上を目指しています。

AIを導入する際の注意点・成功させるポイント

AIを導入する際の注意点・成功させるポイント

CONTENTS

  • 1.AI導入そのものを目的にしない
  • 2.個別最適に陥らず、全体最適を意識する
  • 3.AIが活用しやすいデータ環境を整える
  • 4.セキュリティ対策を万全にする
  • 5.現場の声に耳を傾けながら段階的に進める
  • 6.必要に応じて外部の専門家に相談する

活用が広がるAIですが、やみくもに導入しても、期待する効果を得ることはできません。AI活用によって得られる効果を大きくし、成功させるポイントとしては、以下のような点が挙げられます。

AI導入そのものを目的にしない

AI導入において最も重要なのが、AIを活用することで何をしたいのかを明確にすることです。 「AIを使うこと」がゴールになってしまうと、導入に取り組む現場に負担だけが残り、大きな効果を得ることができません。どの業務を、なぜ効率化したいのか、経営課題や戦略とのつながりを明確にしたうえでAI導入を検討することが重要です。

個別最適に陥らず、全体最適を意識する

一部の部署だけの利便性を考えて仕組みを構築してしまうと、例えば、将来別の部署に横展開する際に、データの連携ができないなど組織全体の生産性向上を妨げてしまう可能性があります。スモールスタートをする場合でも、業務プロセス全体を俯瞰し、将来的な展開を考えた上でAIを取り入れましょう。

AIが活用しやすいデータ環境を整える

AIの性能を引き出すためには、データの形式や管理方法が重要です。データが部門ごとに分断されていたり、表記や粒度がバラバラだったりすると、AIは十分に機能しません。また、データの量も鍵となります。ケースによってはIoTなどを導入し、必要なデータをそろえることも検討が必要です。データの収集・整理・統合を進め、「AIが使いやすい状態」を作ることが成功の秘訣です。

セキュリティ対策を万全にする

多くのデータを活用するAIを導入する際には、セキュリティ対策が欠かせません。現代において、脆弱性の放置やデータ漏洩などのトラブルは、企業そのものの信頼性を損ねる重大な問題となります。セキュリティ対策の責任者や組織を定め、定期的に見直す仕組みを構築しましょう。

現場の声に耳を傾けながら段階的に進める

「自分の仕事がなくなるのでは」「AIに任せると商品やサービスの質が落ちてしまう」と、AI導入に対して不安を感じる従業員も少なくありません。経営者自身が、AI導入の目的や、必要性、導入後の明るい未来像などを丁寧に発信しましょう。また、ベテラン社員の懸念は、時にAIのロジック改善のヒントになったり、実際の品質低下を未然に防いだりするポイントとなることもあります。対話を重ね、導入後の声を聞きながら段階的に進め、「導入してよかった」と現場が感じる状態を作る意識を持つことが大切です。

必要に応じて外部の専門家に相談する

AIやデータ活用は専門性が高く、特に採用難の現代においては、社内だけで判断するのが難しい場合もあります。自社の状況に合った活用方法を見極めるためにも、ITベンダーやコンサルタントなど、外部の専門家の知見を活用することも有効な選択肢です。

まとめ

まとめ

業務効率化にAIを活用することは、単なるコスト削減策ではありません。人手不足や競争環境の変化に対応し、持続的に成長するための経営戦略の一つです。これからの時代、企業がAIを活用することは避けては通れない必須のものと言えます。

重要なのは、AIを導入することそのものではなく、「何のために使うのか」を明確にし、ポイントを押さえながら取りいれていくことです。導入後の未来を描きながら組織全体の理解を得て活用していきましょう。

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