コーチング
コラム
二代目社長の悩みをチャンスに変える――経営変革を導く「コーチング」の力とは

創業者から事業を継承し、企業をさらに成長させるべく奮闘する「二代目社長」。しかし、二代目として何かを始めようと思っても、「先代のように社員から信頼されない」「自分の考えを伝えてもなかなか浸透しない」「時代に合わせた変化を起こしたいけれど、うまくいかない」――、こんな壁にぶつかることが、少なくありません。二代目社長には、創業者とは異なる特有の課題があるのです。
そして、その課題の解決や経営者としての成長に大きなメリットがあるのが、コーチングです。コーチングは、1対1で対話をし、その人本来が持つ力を引き出して成長を促す人材開発手法の一つです。
この記事では、二代目社長が直面しやすい悩みと、その解決に向けて二代目社長が身に付けるべきこと、そして、その課題解決におすすめのコーチングの活用などについて、解説します。
二代目社長ならではのよくある課題とは?

二代目社長は、自ら起業して会社を成長させてきた経営者とは、社長に就任する経緯もそれまでの経験も異なります。それゆえ、独特の悩みを抱えることがよくあります。代表的な二代目社長ならではの課題を見ていきましょう。
CONTENTS
- 1.創業者である先代と比較される
- 2.「これまでのやり方」をなかなか変えられない
- 3.経験不足からくる不安
- 4.相談相手がいないことからくる孤独
創業者である先代と比較される
事業を引き継いだ多くの二代目社長が直面するのが「先代と比較される」ことです。
社員や取引先が何気なく「先代の頃は〇〇だった」と口にしたり、何か問題が起きた際に「先代だったら…」と囁いたり。そうした言葉や態度の一つひとつを気にしてしまうという二代目社長も多いのではないでしょうか。
先代が築き上げた実績は大きな資産である一方、二代目社長にとってはプレッシャーとなることもあります。周りは比較しているつもりはないのにも関わらず、自分自身がついつい先代を過剰に意識してしまうこともあるかもしれません。
「これまでのやり方」をなかなか変えられない
企業には、創業時から積み上げられてきた「やり方」があります。事業に関する事柄だけではなく、人事評価や勤怠管理、企業文化に至るまで、それぞれの企業に根付いたものを変えることは簡単ではありません。二代目として時代に合った仕組みを導入したり、最新技術を取り入れようとしても、反発が起きてしまうこともあります。
なかなか変わることができないという課題は、二代目が引き継いだ企業に限りませんが、事業を引き継ぎ新たな時代にあった企業にしようと意気込む二代目社長にとって、「今までのやり方と違う」という抵抗が、より大きな壁となって立ちはだかることがあります。
経験不足からくる不安
創業者は、その企業を「ゼロから築いた」という確固たる自信がありますが、二代目にはそれがありません。特に、能力や実績を買われて内部から昇格した経営者や、エキスパートとして外部から招へいされた経営者ではなく、創業者の親族で後継ぎとして二代目社長になった場合、経験や事業理解が不足していることがよくあります。
親である社長のもとで数年間、社員として働いてから事業を継承するケースもありますが、そもそも「時期社長」と目されて仕事をしていると、他の社員のように厳しい競争のなかでもまれる経験もあまりないかもしれません。経営の経験がないことからくる不安も、二代目社長が抱えるよくある課題の一つです。
相談相手がいないことからくる孤独
二代目として新たに社長に就任した経営者の中には、社内外に親しい関係者がおらず、身近な相談相手がいないという人も少なくありません。そもそも経営者は、仕事の悩みなどを周囲に気軽に相談しづらく、孤独になりがちです。中でも二代目社長は、その会社の中での経験が浅いにも関わらず、トップという立場にあることから、より一層、悩みを誰にも相談できずに一人で抱え込んでしまう懸念があります。
二代目社長が企業を成長させるために必要なこととは

二代目社長がさらに企業を成長に導くためには、戦略を遂行する上で、創業時とは異なる意識が必要となります。
CONTENTS
- 1.既存事業を理解し、敬意を払った上で成長戦略を描く
- 2.これまでのやり方を「全否定」しない
- 3.未来を示し、変革の必要性を丁寧に説く
- 4.自らリーダーとして成長する
既存事業を理解し、敬意を払った上で成長戦略を描く
先代から引継ぎ、二代目社長として企業を成長させるためには、時代に合わせた仕事の進め方、新規事業の開発など、ある意味過去に捉われない戦略を描く必要があります。しかし、二代目として外の世界ばかりに目を向け、やりたいことを盛り込んだ戦略をいきなり押し付けても、組織はついてきてくれません。
まずは現場に足を運び、一人ひとりの声に耳を傾けながら既存事業の特徴や仕事の流れを丁寧に理解する姿勢が必要です。自分が社長として引き継いだ今の企業が存在し事業を営むことができるのは、自分の功績ではなく、あくまでも先代社長や社員たちが創業以来努力を続けた結果です。今の企業の礎を築いたこれまでの過去に敬意を払い、成長に向けた戦略を練っていきましょう。
これまでのやり方を「全否定」しない
二代目社長として新たに社長に就任し、既存事業の状況を確認すると、例えば、ベテラン社員の勘と経験に頼った再現性のない品質管理や紙や人力が中心の非効率な業務フロー、人口減少によって縮小する市場を中心とした事業構成など、「すぐにでも変更すべき」と感じる点があるかもしれません。
時代に沿った成長戦略を描くことは事業を引き継いだ二代目社長の重要な任務の一つですが、それまでの過去を「全否定」する形にならないよう、注意が必要です。これは、時代に沿わないものを残すことを意味するものではありません。前項の「既存事業への敬意」にも共通しますが、例えば新しい戦略を社員に伝える際の言葉、日頃のコミュニケーションでの配慮などによって、相手が受け取る印象は大きく違います。細かな配慮をすることで、無用な反発をなくし、企業の成長のために避けて通れない変革をスムーズに進めることができるようになります。
未来を示し、変革の必要性を丁寧に説く
二代目として時代に沿った新しい経営をすすめるためには、従業員一人ひとりが変革の必要性を納得し、「変わる必要がある」と前向きに取り組めるようにすることも大切です。そのためには、「未来においてどのような姿を目指すのか」、「そのためには何が必要なのか」、「今変わらなければどうなるのか」などを、具体的に説得力を持って内外に発信することが求められます。いかに正しい戦略でも、進め方を間違えるとさまざまな抵抗や反発を生んでしまいます。
必要に応じて、戦略説明のために特別な全社ミーティングを開いたり、社内アンケートやヒアリングなどを通じて社員の声を吸い上げたりして、理解浸透のための施策を実施することも有効です。
自らリーダーとして成長する
二代目として企業をさらに成長させるためには、当然ながら社員に求めるだけでは不十分です。自分に足りないものを自覚し、経営経験の不足を補うためにも、トップ自らが学び成長することが重要です。もちろん、現場での経営経験は大きな学びになりますが、それだけでは日々に追われて、目指す方向を見失ってしまうこともあります。目標を明確に定め、そこに向けて自分自身を振り返りながら、成長する機会を意識して設けることで、成長速度を速めることが期待できます。
※※
上記に紹介したのは、二代目社長に求められるものの一例です。人によっては、「強い経営者」を目指し、これまでのやり方や社員の抵抗を気にせず自分が良しとする戦略を強力に推し進めるべきだ、と考えるかもしれません。
それも一つのやり方ではありますが、これまでの成長を担ってきた古くからの社員や培った事業ノウハウは、会社にとって財産でもあります。そうしたものを切り捨てる経営手法には、デメリットも大きいことを理解し、時代や自分に沿った戦略を熟慮することが重要です。
二代目社長がコーチングを受けるメリットとは

1対1の対話を通じて、その人本来が持つ力を引き出して成長を促す人材開発手法、コーチング。企業経営者の間でも、このコーチングを受ける人が増えています。
中でも、特に企業経営者などエグゼクティブ層を対象としたものを「エグゼクティブコーチング」といいます。二代目社長がさまざまな課題を解決し、自ら成長し続けるために大きなメリットがあるのが、このエグゼクティブコーチングです。
二代目社長がエグゼクティブコーチングを受ける主なメリットについて、ご紹介します。
CONTENTS
- 1.課題を発見し、解決を促進する
- 2.信頼できる相談相手を得る
- 3.事業や組織の状況をチェックする時間を定期的に確保できる
- 4.経営者として成長できる
課題を発見し、解決を促進する
エグゼクティブコーチングの最も大きなメリットの一つが、課題を発見し、その解決を促進できることです。
エグゼクティブコーチングは、基本的には依頼者とコーチが1対1で対話をし、コーチの問いかけに依頼者が答える形でセッションがすすめられていきます。高いコーチングスキルを持つコーチからの質問に答えることで、依頼者は、事業を引き継いだ立場として、これからどのように企業を成長させていきたいのか、事業戦略を練る上で必要な目指す姿を明確にすることができます。
また、目標達成の壁となる状況が発生した場合も、あらゆる角度での検討をすることで、自分一人では気が付かなかった課題に気が付くかもしれません。エグゼクティブコーチングを通じて、課題の構造を整理し、解決策を練り、スケジュールを立てて進捗を確認することで、課題の解決を促進し、二代目として目指すゴールに向け着実に進むことが可能となります。
信頼できる相談相手を得る
解決が難しい重大な課題から、ちょっと気になること、将来の展望など、経営者は常にいろいろな事柄を抱えています。しかし、事業を引き継いだ経営者の中には、胸の内を安心してさらけ出せる相談相手がいないという人も多いのではないでしょうか。
そんな二代目社長にとって、ビジネスに対する理解があり、中長期で伴走してくれるコーチは、大変心強い存在です。重要課題を解決する方向性を探る、複雑な問題に関して頭の整理をする、ちょっとしたアイディアの壁打ちをする…など、経験豊富なコーチがいれば、いろいろな場面でサポートを受けることができます。絶対的な自分の味方となり成長を支えてくれるコーチがいることは、二代目社長としての孤独の解消にもつながります。
事業や組織の状況をチェックする時間を定期的に確保できる
変化が激しい今の時代、ビジネス環境や組織の状況、取るべき必要な施策は、常に同じとは限りません。環境変化に敏感に反応し戦略を定期的に見つめ直す必要がありますが、日々の仕事や目先の課題解決に追われ、ついつい後回しになってしまいがちです。
そうした観点からも、エグゼクティブコーチングの導入は、大きなプラスとなります。定期的にコーチとセッションする時間を設けることで、意識せずとも必然的に事業や組織を俯瞰して見る時間を確保することができます。また、コーチからの問いかけによって起きている変化を整理し、見落としていた問題に気が付くことも可能となります。
経営者として成長できる
二代目社長は、自らの課題を認識し、必要に応じて自分自身も変化しながら成長していかなければなりません。コーチングの良いところは、コーチの問いかけに応じることで、自ら答えにたどり着く点です。他者から弱点や足りないところを指摘されると、反発を感じたり、素直に受け入れられなかったりすることもあるかもしれません。一方で、事業を引き継ぎ新たに組織を率いる上で、自分に足りないものは何かを自分自身で考え言葉にすることで、解決に向けて前向きに取り組めるようになります。
また、エグゼクティブコーチングにおけるコーチの役割は、依頼者をサポートし成長を促して課題解決に導くことです。課題解決のために必要な行動を取るのは経営者自身であり、コーチはコンサルタントのように、依頼者に代わって戦略を練り、解決に向けて動くことは基本的にありません。中長期でコーチングを受け続けることで、組織を率いるリーダーとして必要な素養が身についていくことを実感できるはずです。
まとめ

二代目社長は、過去の遺産を守るだけでも、急激な変革を起こすだけでも成功しません。重要なのは、これまでの歴史や企業の礎を築いた社員を大切にしながら、時代に合わせた成長戦略を練り、納得を得ながら変革を起こす、という姿勢です。
そのために、エグゼクティブコーチングを受けることは大きなメリットがあり、そしてコーチは心強い伴走者となります。
新たな経営者が事業を引き継いだということは、時代に合わせて企業が第二の成長を遂げる大きなチャンスでもあります。
自らも成長して二代目ならではの課題を克服し、未来に向かって組織を率いていきましょう。
社長の悩みには、社長専門のコーチングを。

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