コーチング
コラム
なぜ組織開発にコーチングが有効なのか? 導入すべき理由と、他のサポートとの違いを解説

組織開発のさまざまな施策を打っているけれど浸透しない、上からの押し付けではなく社員が主体的に組織を良くするよう動いて欲しい──そう考えながらも、組織開発がうまくいかず、どう進めれば良いのか悩んでいる経営者は少なくありません。
組織開発にはいろいろなやり方が提唱されていますが、中でも近年注目されているのが、コーチングを導入し、組織を変えていく手法です。なぜ、組織開発を進める上でコーチングが有効なのでしょうか。コーチングを自社に取り入れる際は、どのような点に注意する必要があるのでしょうか。
本記事では、コーチングを用いた組織開発をさまざまな視点で紐解き、メリットや進め方、他の手法との違いなどを解説します。
そもそも組織開発とは?

組織開発(Organization Development)の定義にはいろいろなものがあります。例えば「組織開発とは、戦略や制度といった組織のハードな側面だけでなく、人や関係性といったソフトな側面に働きかけ、変革するアプローチ(光文社新書「入門 組織開発」の推薦・解説文より)」、「組織開発(Organization Development)とは、会社などの組織で働く人と人との関係性や相互作用によって、組織を活性化させていくことや、そのための支援を行うという考え方のこと(HR Brain運営「HR大学」より)」など、表現はさまざまですが、組織の構造や制度の変更にとどまらず、人と人との関係性やコミュニケーションまでも視野に入れ、組織全体の機能を高めていく取り組みを指すものと言えます。
経営者が組織開発を考えるとき、多くの場合は評価制度の見直しや組織図の再編といった「ハード面」のみを意識しがちです。しかし、実際に組織の動きを左右しているのは、日々の対話や信頼関係、心理的な安全性といった「ソフト面」であることが少なくありません。
そして、組織開発を進める上で重要な、このソフト面へのアプローチの一つと位置づけられているのが、コーチングです。
コーチングを組織開発に取り入れるメリット

制度や組織の形だけではなく、一人ひとりの内面や従業員同士の関係性にも目を向けて、組織のあり方を高めるのが組織開発ですが、それでは、その組織開発を行う上で、コーチングのどのような点が有効と考えられるのでしょうか。
一つは、コーチングを取り入れることで、「上からの押し付け」ではなく、社員一人ひとりの主体的な行動によって組織開発が実現しやすくなる点です。
コーチングとは、その人本来が持つ力を引き出し、成長を促すコミュニケーション方法の一つです。コーチの役割は、「答えを与える」のではなく、「相談者自身が答えを見つけたり、既に自分自身の中にある答えに気がついたりできるようサポートする」こと。コーチングでは基本的に一対一で対話を行い、コーチはあらゆる角度から質問を投げかけます。そして相談者は、コーチの質問に答えることで、目指す将来の姿、そこに到達するために解決すべき課題、解決するために必要な行動などを言語化し、頭の中を整理していきます。
こうしたコーチングのプロセスは、組織開発において非常に相性が良いものです。
なぜなら、真に組織開発を成功させるためには、目的や方針に対する社員一人ひとりの理解と納得、そして日々の実践が必要不可欠だからです。
例えば、企業のさらなる成長を目指し、失敗を恐れず挑戦しやすい新たな企業文化を作るとします。トップはメッセージを発信したり、行動指針や制度を作ったりすることはできますが、それだけでは組織開発は実現しません。挑戦しづらい空気はどこから来ているのか、その壁を打ち破るには何が必要か、自分はどんな行動をとることができるか……。それらを、上から言われて認識するのと、自分自身で考えて言葉にするのとでは、実際の行動につながる推進力も、取り組む上でのモチベーションも大きく違うはずです。
組織開発における、もう一つのコーチングの利点は、そもそものコーチングという手法自体が、コミュニケーションの質を高めるところです。例えば、企業がコーチングを取り入れるやり方の一つに、社内のリーダー層などがコーチングスキルを身に付け、部下とのコーチングを定期的に行う形があります(詳細は次の項目)。
このやり方のメリットとしては、上司と部下の相互理解が進み、さらには内部の日常的なコミュニケーションの質と量が向上し、組織が活性化することが挙げられます。また、研修などを通じてコーチングのスキルや考え方を身に付けることで、リーダー層のマネジメント力が上がることも期待できます。こうした変化そのものが、組織開発による効果の一つと言えます。
コーチングを組織開発に取り入れるやり方例

前述したように、企業がコーチングを導入する際、対象や目的によってさまざまなやり方があります。以下に代表的な例を紹介します。
CONTENTS
- 1.外部コーチ対マネジメント層(個別)のコーチング
- 2.外部コーチ対一般社員(グループ)のコーチング
- 3.内部のリーダー層と一般社員のコーチング
外部コーチ対マネジメント層(個別)のコーチング
リーダーなどマネジメント層に対して、外部コーチが個別にコーチングを行う方法です。トップが掲げる方針を組織全体に浸透させ理解を得るためには、マネジメント層の役割が非常に重要になります。コーチングを通じてマネジメントの質が上がり、その変化が、組織全体に波及することが期待できます。
外部コーチ対一般社員(グループ)のコーチング
コーチングの多くは一対一で行いますが、プロのコーチ一人に対して複数人で対話をするグループ形式でのコーチングも可能です。例えば部署横断やプロジェクト単位でグループコーチングを実施することで、自分以外の人たちがどのような価値観を持っているかなどを知ることができるようになり、相互理解が進みます。組織間の壁が低くなったり、組織全体のコミュニケーションが活性化したりするメリットが考えられます。
内部のリーダー層と一般社員のコーチング
前の項目で紹介した事例のように、社内のリーダー層などがコーチングスキルを身に付け、部下とのコーチングを定期的に行う形式です。日常のマネジメントにコーチングの考え方や手法を取り入れることで、マネジメントの質が上がり、上司と部下との信頼構築にもつながります。ただし、やり方が属人的にならないよう、目的や手法などをリーダー層に周知し、コーチ役を務める側がしっかりとしたコーチングスキルを身に付ける必要があります。
組織開発に対する他のサポートとの違い

組織開発に行き詰まったときにサポートを受けられるのは、コーチングだけではありません。しかし、これらは似ているようでいて、組織への働きかけ方や期待できる効果が異なります。違いを理解せずに導入すると、「思っていた効果が得られない」という結果になりかねません。それぞれの特徴を把握した上で、自社の課題や風土にあったものを取り入れることが大切です。
CONTENTS
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- 1.コンサルティング
- 2.コーチング
- 3.外部の社内研修実施機関
コンサルティング
コンサルティングは、課題の特定や分析を行い、解決策を提示することに強みがあります。外部の専門家が客観的な視点で現状を整理し、具体的な戦略や制度設計を示してくれるため、施策立案までの時間短縮や内部の負荷軽減などにもつながります。
特に、事業戦略の見直しや業務プロセスの改善、評価制度の再設計など、「構造」や「仕組み」を変えたいときに適しています。一方で、提示された施策を実行し、組織に定着させるのはあくまで社内の役割になります。そのため、組織内の関係性やコミュニケーションの質が課題となっている場合、仕組みだけ整えても期待した効果が出ないこともあります。中長期で組織文化を変え、自主的に変革を実現できる組織に変えていきたいときには、向かないケースもあります。
コーチング
コーチングは、問いと対話を通じて、組織の内側から気づきや変化を引き出すアプローチです。答えを与えるのではなく、当事者が自ら考え、行動を変えていくプロセスを支援します。
そのため、リーダーとメンバーの関係性、部署間の連携不足、主体性の欠如といった「人の在り方」や「組織の空気感」に課題がある場合に大きな効果を発揮します。時間はかかりますが、行動変容が起きると持続性が高く、組織文化の変化につながりやすい点が特徴です。
一方で、すぐに具体的な答えや施策が欲しい場合には、スピード感に不足を感じてしまう可能性があります。コーチングは「すぐに解決する」手法ではなく、「変化を起こせる組織に育てる」手法だと捉えることが重要です。
外部の社内研修実施機関
社内研修は、知識やスキルを体系的に学ぶ機会を提供する手法です。すべてを自社で設計して実施することも可能ですが、企業の教育や研修を専門に提供している会社などに依頼して、組織開発に関する研修を実施することで、内部の負荷を軽減し、専門的な知見を生かしたより実りある研修を社員に受講させることが期待できます。
注意が必要なのは、研修は、考え方や理論をインプットすることには非常に優れていますが、それだけで行動が変わるとは限らない、という点です。研修直後は意識が高まっても、日常業務に戻ると元の状態に戻ってしまうことも少なくありません。
組織開発を実現するためには、社内研修で理解を深め、研修が終わったあとにそれを行動に移す、そして継続するための別の仕組みやフォローが必要です。
まとめ

コーチングは、組織開発を成功に導きたい経営者にとって、大きな助けとなる一つのやり方です。制度やルールを整えるだけでは解決できない課題を「人」へのアプローチを通じて解決に導き、ボトムアップで組織を強くしていくための有効な手段といえるでしょう。
しかし、当然ながら、コーチングを導入すれば組織開発のすべてがうまくいくものではありません。重要なのは、組織開発で何を成し遂げたいのかをトップが明確に掲げ、熱意を持って推進し、それをサポートする一つとしてコーチングを活用することです。
コーチングの特徴を理解した上で導入し、組織開発を成功に導きましょう。
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