お客様の声
株式会社エム・マーケティング
代表取締役 原田 正文 様
自己理解をサポートするコーチは「保健室の先生」、事業の根底にある想いとは?
「お客様の声」では、社長のふくろう®︎で実際にエクゼクティブコーチングを受けていただいた経営者の皆様にインタビュー取材し、体験者ならではのリアルな声をお届けしています。
今回ご登場いただくのは、中小企業の経営者やビジネスパーソン向けの講座などを提供している株式会社エム・マーケティング代表、原田正文(はらだまさふみ)様です。
父と同じく事業家として起業したものの、コロナ禍で業績が悪化。将来を考えた際に出会ったのが、エグゼクティブコーチングでした。
原田様ご自身が感じた、経営者にとってのエグゼクティブコーチングの価値とはどのようなものなのか、そして自身が事業を行う根底にある想いとは何なのか、お話を伺いました。
実家の事業の失敗、「成功」への意識…20代で起業し数々のソリューションを提供するように
― 最初に、これまでのご経歴、起業に至った経緯についてお伺いできますか。
原田正文氏(以下、原田氏):私は熊本県生まれで、自営業の家庭で育ちました。自営業といっても父がやっていたのは喫茶店とか、フランチャイズの学習塾などで、生活はそんなに豊かではなく、どちらかというと貧しい家でした。父は自分が事業で苦労していたからか、私には公務員や銀行員など安定した職業に就けといつも言っていて、私も最初は教員になるつもりで熊本大学に進学しました。
しかし私が20歳のころ父の事業がかなり厳しくなり、私がアルバイトで稼いだお金で家族の生活費を支えなければならない状況になったんです。その時に今後の人生を考えて、「普通に就職しても、ちょっとリカバリーができない、家族を支えていくことができないな」と思いました。「成功」という文字を初めて意識したんですね。
なんとか成功したいと思った私は、アルバイトの合間に本屋に行っていわゆる成功者の自己啓発本やビジネス書を読みあさりました。そうして得た結論は「成功するためには東京に行く必要がある」ということです。彼らのプロフィールをみると、皆さん東京にいたためです(笑)。そう考えた私は実際に上京し、いくつか仕事を経験したあとソーシャルゲームの会社に入り、ゲームの責任者などを経験しました。
起業を真剣に考えだしたのは、父がくも膜下出血で他界したことが大きく影響しています。成功して家族を支えると思って熊本から東京に出てきたのに、結局自分はサラリーマンをやっている。父がいなくなって改めて、自分への違和感みたいなものを抱きました。27歳でそのゲーム会社を退職し、父が残してくれた家と土地を売却して母の老後資金に回し、そしてその中から300万円を借りて、今の会社を立ち上げました。
― 激動の20代ですね。今の会社の事業内容はどのようなものなのでしょうか?
原田氏:メインは、中小企業のオーナーやビジネスパーソン向けのビジネス講座の提供です。他にも主に無形商材を扱うようなWeb広告の代理運用や、ビジネス講座の実施や顧問サービスの登録をしているような方とそれらを対象にマーケティングするマーケターとのマッチングサービス、福祉関係のコンサルティングサービスやフードデリバリーのFCなども行っています。
会社の立ち上げ当初からやっているビジネス講座を展開をしていく中で、これは自社としても参入できそうだ、新しく取り組む価値があると感じたものを事業化していき、現在手がけるソリューションは多岐に渡っています。
「とにかく話を聞いてほしい」、広告を見てコーチングを依頼
― 社長のふくろう®を依頼したのは、どのような経緯からでしょうか?
原田氏:石上さんのエグゼクティブコーチングを初めて受けたのは、2023年の4月です。
当社は2019年から上場準備を始め、IPOをするという目標の中で事業を展開し組織も拡大していました。その途中で直撃したのがコロナです。コロナの影響で業績が下がり、今後は逆に組織のスリム化が必要でした。なんとか人を減らしてして売上は戻ってきたのですが、一方で、今の状態を続けていっても先が見えないという悩みも抱えていました。しかし人を減らしたので役員もおらず、誰にも相談することができません。とにかく誰かに話を聞いて欲しい、相談したいという気持ちがあったんです。
その時にたまたま目にしたのが、社長のふくろう®のWeb広告です。ホームページを見てみたら自分と同じく会社経営をしている友人が出ており、ちょっと試しに受けてみようか、と無料体験を申し込みました。
― とりあえず、仕事のことを誰かと話したかったんですね。
原田氏:そうです。そもそも経営者は、深いレベルで自分の考えていることを話せる相談相手がいないという人が多いのではないでしょうか。社内の人だと受け取り方や他の社員への影響などを考えてしまうし、経営者仲間や家族でもそれぞれのバイアスがかかった見方をされ、偏りのないアドバイスが返ってくるとは限りません。そういう意味で、自分と直接関係のないコーチングは、相談するのに適していると考えました。
また、コーチングといっても、社長業に理解があるコーチでないと相談する意味がありません。目線が合わず、そもそも悩みの内容を理解してもらえない可能性があるからです。その点、石上さんはご自身も社長として経営をしていて、エグゼクティブコーチングに特化して経験を積まれていたため、これならばとお願いしてみることにしました。
― いつもどんな感じでセッションをしているんですか?
原田氏:セッションは通常月に1回お願いしています。私が別で所属しているビジネスコミュニティがあって、そこでは仕事や自分自身のことを発表する場があるんです。そこを通じて1か月の出来事をまとめているので、セッション前にコーチングでお伝えする内容をあらかじめセットアップしてから話しを聞いてもらっています。
他人とコミュニケーションをとるときは、これを言ったら相手が不快に思うかなとか、自分の立場上この人には言えないなとか、通常は微妙なバランスを考えますよね。言いたいことを全てさらけ出して話しができる場所って、そうそうないと思うんです。
エグゼクティブコーチングの良いところは、そうした心配や忖度なしに、安心して自分のことを話すことができる点です。石上さんのお人柄もあると思いますが、雰囲気が柔らかいので話しやすいんですよね。
コーチングを継続して初めてわかる、思考の癖や隠れた課題
― エグゼクティブコーチングを始めてから、新たに気がついたことや、仕事の仕方で変えてみようと思ったことはありますか?
原田氏:コーチングでは経営者としての課題を話し、自分の考えを引き出してもらっているのですが、異なるテーマにも関わらず、同じ着地、課題に行きつくことがあります。私の場合は「周囲に頼れない、任せられない」ということでした。
いつも同じ課題に行きつくということは、見方を変えるとそれは自分の中に根付いている問題、ネックになっている思考や行動のクセでもあります。1回で終わらせずに継続してエグゼクティブコーチングを受けることで、そうした癖に対しての気付きがありますね。継続してコーチングを受けることで、そうした自分一人では気が付くことができないもの、認識していなかった課題を課題として認識できることは、大きなメリットだと思います。
経営者や起業家は、仕事の中で毎日のように自社やお客様の問題に対処しているので、いわば課題解決のプロでもあります。そのため、コーチングを受けなくても自分で解決できると思っている人が多いと思いますが、そうした自分の隠れた癖というのは一人では改善できません。だからこそ解決できないし、苦しみ続ける。
自分だけだと太刀打ちできない問題を解決するためには原因の認識、追及から始める必要があります。その点、経営に理解がある人に引き出してもらって話しをすることは自分の深い重要な部分をアウトプットすることにつながります。双方向でコミュニケーションをとることで自分の解像度が上がり、自己理解が深まっていく感覚があります。
― 今おっしゃったご自身の課題、人に頼る・任せるという点については、どのような形で解決を目指しているのでしょうか?
原田氏:今も取り組んでいる最中ですね、恐らく、ずっと向き合い続けなければならない自分の課題なんだろうなと思います。
具体的にこの課題を考える上で事業につながったものもあります。先ほどお伝えした、ビジネス講座などを行っている方とマーケッターとのマッチングサービスは、石上さんとのコーチングでヒントを得て始めた事業なんです。
それまでは自社が、もっと言うと私自身がお客様の案件に必要なマーケティングを業務として行っていました。しかしそれを続けていても、対応できる案件の数が限られているため、売り上げや利益の限界がすぐに来てしまいます。
もっと事業を拡大していくために何が必要かを考えたときに、自分が手を動かしていたマーケティング業務を他者(他社)に任せることで、マッチングという新しいサービスを実現することができました。今の形にすることで自分自身すごく楽になりましたし、会社としての規模拡大も図れるようになりましたね。
幸せを感じるために必要なのは「自分のことを理解すること」
― 会社のこと以外、プライベートなどに関してはいかがでしょうか。コーチングによる変化などはありましたか?
原田氏:ありました。お伝えしたコロナ禍の時期は、会社が大変な状況だった上、家庭もうまくいかず、ダブルパンチで本当にしんどかったんです。そういった状況を経て、コーチングを受ける前は、生活を楽しむ、前を向くということが全くできなくなっていました。土日もずっと売上や資金繰りのことなど、頭の中は仕事の苦労ばかりでした。他の経営者と自分を比べてしまい、幸福を感じづらくなっていたんですね。
しかしコーチングを続けていく中で、仕事はもちろん、プライベートについてもいろいろと考えるようになり、今はもう一度人生を楽しもうという気持ちになっています。経営者として、起業家としてはまだまだですが、気負わずやりたいことをやっていこうと考え、人生を楽しむ気持ちを持てるようになりました。
人生の幸せを感じるためには、まず自分を理解することが非常に大事だと思うんです。自分にとって何が喜びで、ストレスに感じるのはどのようなことなのか。ほとんどの人がここを十分にわかっていないし、普通に暮らしていると理解するための仕組みもありません。目の前のことに忙殺されてしまい、本当は何をやりたいのかを見失ったまま突き進まざるを得ないことが多いと思うんです。コーチングは、そこを一緒に探しに行って、自分への理解を深める手助けをしてくれるのかなと思います。
― 素敵なお話ですね。経営者やエグゼクティブ層の方にエグゼクティブコーチングをおすすめするとしたら、どういうタイプの方に合っていると思いますか?
原田氏:やはり、私のように相談するのが苦手な方ですね。それから、本音をなかなか言えない方にもおすすめです。自分もそうですが、経営者として誰かと話しをすると、相手を気遣ってちょっとした柔らかい嘘を言ったり、逆にはったりをきかせたり、本音が言えないことも多くあります。余計なことを気にせずに本音をさらけ出して自分の殻を破りたいと思っている人には、向いているのではないでしょうか。
― 原田様自身の将来の展望、これからやってみたいことがありましたらお願いいたします。
原田氏:やりたいビジネスや事業の中身については、これをぜひやりたい、という具体的なものはそんなにないんです。それよりは、抽象度が高い目的ですが、経営者のみなさんが事業の楽しさ、商売の素晴らしさを感じられるようなお手伝いをしたい、それができるプラットフォームでありたいと思っています。
結局自分は、商売一家の生まれなんです。父親が商売で失敗して苦しむ姿を見ているので、自分が今事業をやる意味、根本にあるのは、父のように事業をやっている中小企業の経営者皆さんを、苦労から解放したい、喜んでいただきたいという想いなんだと思います。ちょっとした知恵だったりビジネスモデルを提供することで、豊富な資金や突出した技術などがなくても、事業を成長させるお手伝いができる、例えるなら草野球の選手がメジャーリーグも夢ではないと頑張れる環境を整えることができたら最高ですね。
― ありがとうございます。最後に、原田様にとって社長のふくろう®とは一言で言うとどんな存在でしょうか?
原田氏:保健室の先生ですね。保健室の先生って、ちょっと授業を抜け出して喋りに行くと、いろいろと話を聞いてくれますよね。進路について不安を吐き出しても、進路指導の先生みたいにああしろこうしろとは言わない。だけど健康を気遣ってくれて、学校の生徒たちにとってはなくてはならない存在です。
コーチングの場合は、気遣ってくれるのが健康ではなくて、経営者としての成長や人生の幸せに置き換わるんだと思います。エグゼクティブコーチングのコーチは、まさに私にとっての保健室の先生ですね。
左:株式会社エム・マーケティング 代表取締役 原田 正文 様、右:弊社代表 石上 和平
株式会社エム・マーケティング 代表取締役 原田 正文様プロフィール
株式会社エム・マーケティング
代表取締役:原田 正文 様
生年月日:1986年8月7日
会社設立:2015年7月7日
事業内容:社会人向け教育事業、広告代理事業、マッチング事業
会社HP:https://mmark.co.jp/