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組織変革に必要なプロセスとは? 経営者が押さえるべき、変革を成功させるポイントを解説

「組織変革に取り組んでいるが、現場がついてこない」「新たに理念を作ったのに、変わった実感がない」──そんな違和感を抱えている経営者は少なくありません。
その背景として考えられるのが、組織変革に対する理解不足や、しっかりとしたプロセスを経ずに無理な変革を推し進めるやり方です。
組織変革とは、単なる制度変更や業務改善ではなく、人や価値観、意思決定のあり方を含めた組織全体のあり方を変えていく取り組みです。そして、変革を成功に導くためには、必要なプロセスを踏み、一つひとつ障壁をクリアしながら進めることが必要です。
本記事では、組織変革とは何かという基本から、組織変革のプロセス、成功に導くポイントなどを、経営者目線でわかりやすく解説します。
組織変革とは何か?

組織変革とは、企業が環境変化に適応し持続的に成長していくために、文化や価値観を含め組織の構造や仕組みを見直し、再設計することを指します。単に組織図を変えたり、新しい制度を導入したりするのではなく、経営者が描く理念やビジョンを起点に、組織全体のあり方を刷新していく営みだといえるでしょう。
※CX(コーポレート・トランスフォーメーション)という言葉が使われることもありますが、CXと組織変革を同義と捉えることも、組織変革はCXの一部(または手段)と位置づけることもあります。本稿では一般的なCXと組織変革を同義のものとして解説します。
なぜ今、組織変革が求められているのか
組織変革の目的の一つは、「変化に対応するため」です。事業に影響が大きい革新的な技術が生まれる、事業規模が拡大して従業員数が増える、グローバル化が進み海外に拠点などを作る、M&Aや新規事業創出で経営が多角化する……など、経営を取り巻く環境や自社の状況は常に変化しています。
こうした変化に柔軟に対応して競争力を維持し、企業が成長を続けるためには、組織の変革は必要不可欠です。
2022年に電通が公表した「企業の変革に関する従業員意識調査(全国各企業20~59歳の部長以下の従業員男女計1,000名が対象)」によると、自社の変革の必要性を感じている従業員は、75.3%にのぼっています。また、2021年に博報堂が公表した「会社と私の本音調査(全国 1,250 名の企業勤務者が対象)」でも、経営層 79.2%、管理職層 78.6%、一般社員 74.2%が「今の組織文化を変える必要あり」と回答し、各階層で変革の必要性を感じていることが伺えます。
組織変革を実行するプロセス

組織変革は、一つの施策で完結するものではありません。成功に導くために最も重要なことの一つが、変革をするプロセスです。
組織変革を着実に実行していくために、さまざまな手法が提唱されていますが、ここではその代表例として、ハーバード・ビジネス・スクールのジョン・P・コッター教授が提唱した「8つの変革プロセス」を紹介します。
CONTENTS
- 1.危機意識を高める
- 2.変革をリードするチームを作る
- 3.ビジョンと戦略を策定する
- 4.ビジョンを周知徹底する
- 5.ビジョン実現に向けた自発的な行動を促す
- 6.短期的な成果を生み出す
- 7.成果を土台にしてさらなる変革を推進する
- 8.変革に基づいた取り組みを組織文化に定着させる
■危機意識を高める
市場や自社の状況を分析し、組織の課題や直面しているリスク、このまま変革をしない場合にどうなるかなどを検討します。これによって、関係者の危機意識を高め、変革の必要性を共有します。
■変革をリードするチームを作る
変革の必要性を確認した上で、その変革をリードするチームを設置します。さまざまな所属部門、レイヤー、スキルの人材を集め、強く取り組みを推進できるチームを作ることが大切です。
■ビジョンと戦略を策定する
変革を成し遂げることで実現する、将来のあるべき姿を描きます。そして、そこにどのように向かうのか、戦略を立案します。このビジョンと戦略は、明確で説得力を持ち、従業員のモチベーションを向上させる内容であることが必要です。
■ビジョンを周知徹底する
策定したビジョンと戦略を周知します。一度伝えれば終わりではなく、さまざまな手法で何度も繰り返し発信し、従業員に浸透させることが必要です。また、従業員が前向きに取り組めるよう、メッセージの内容やタイミングなど、細部まで検討しましょう。
■ビジョン実現に向けた自発的な行動を促す
周知した内容に沿って従業員が自発的に行動し、実現スピードが上がるように取り組みます。人事異動や教育、システムや評価制度など、ソフトとハード両面で促進できる形になっているかを見直し、必要に応じて修正をします。
■短期的な成果を生み出す
取り組みをスタートしたら、目に見える短期的な成果を実現します。業績やKPIの改善など変革することで得られる価値を明確に示し、報酬などによって評価をします。
■成果を土台にしてさらなる変革を推進する
得られた短期的な成果を土台にして、変革のスピードを加速させます。成功事例を他の部署に横展開したり、人材を採用して規模を大きくしたりして勢いをつけ、さらなる成果を積み上げていくことが大切です。
■変革に基づいた取り組みを組織文化に定着させる
ビジョン達成に向けた行動を一時的なもので終わらせないために、成果を得るためのアプローチや行動を組織の文化として定着させていきます。人材育成の中に取り入れたり、評価制度を見直すなどして、変革を起こすことが可能な組織に変えていきましょう。
組織変革を行う上での注意点、成功させるポイント

組織変革を成功させるためには、いくつか押さえておくべき重要なポイントがあります。
CONTENTS
- 1.企業理念・ビジョンを徹底的に共有する
- 2.経営者自身が変革の当事者であることを示す
- 3.短期成果を求めすぎない
- 4.コミュニケーション量を増やし、「なぜ変革するのか」を伝える
■企業理念・ビジョンを徹底的に共有する
大切にする価値観や目指すゴールを共有しなければ、組織変革を進めることはできません。理念やビジョンが曖昧なままでは、組織変革の必要性を合意できず、同じ方向を向くことができません。理念を作り発信するだけではなく、一人ひとりに浸透させることを意識することが大切です。
■経営者自身が変革の当事者であることを示す
組織変革は現場任せにできません。経営者の姿勢そのものが、組織の行動基準になります。
■短期成果を求めすぎない
組織変革は時間がかかる取り組みです。小さな成功を積み重ねる視点が重要です。必要に応じて軌道修正などを行いながら、中長期で真のゴールを目指しましょう。
■コミュニケーション量を増やし、「なぜ変革するのか」を伝える
変革期には不安や誤解が生じやすくなります。また、取り組みの開始時期には反対や抵抗も考えられます。意識してコミュニケーションの量を増やし、「なぜ変革をする必要があるのか」をトップは常に言葉にして伝える必要があります。対話を重ね、現場の理解を得ながら進めることが不可欠です。
まとめ

組織変革とは、企業が変化の激しい時代を生き抜くために、組織のあり方そのものを見直し続ける取り組みです。経営者が明確なビジョンを持ち、理念を軸に組織を導くことで、初めて組織変革は現実の成果につながります。
今、自社にとって必要な組織変革とは何かを考え、実行に移すことが、次の成長への第一歩になるでしょう。
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