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経営者必見!会社を成長させる「幹部の育て方」と、育成する際の注意点を解説

2025.09.05 経営者Tips

経営者必見!会社を成長させる「幹部の育て方」と、育成する際の注意点を解説

「会社の幹部を育てたいけれど、なかなか育成がうまくいかない…」そんな悩みを抱える経営者は少なくありません。信頼できる幹部の存在は、会社の成長にとって必要不可欠です。会社の規模が大きくなればなるほど、経営者が一人で経営判断をしたり組織を運営することが難しくなってくるためです。

しかし、やみくもに「幹部を育成しよう」とスタートしても、なかなかうまくはいきません。自社の幹部に何を求めるのか、そしてどのように候補を選出し、育成していくのか。それら一つひとつを明確にしなければ、間違った方向に進んだり、せっかくの成長機会を無駄にしたりしてしまう可能性もあります。

このコラムでは、企業の成長になぜ幹部の存在が必要なのか、そしてどのように育成すべきなのか、詳しく解説します。

 

なぜ企業は幹部を育成する必要があるのか

なぜ企業は幹部を育成する必要があるのか

そもそもなぜ、幹部の育成が必要なのでしょうか。優秀な経営者ほど、無理に幹部を育てずとも、自らが判断し行動した方が良い結果を生むと考えがちです。しかし、企業が成長を続けるためには、幹部の育成は必要不可欠です。主な理由をみてみましょう。

CONTENTS

  • 1.変化の激しい時代に対応する
  • 2.スピードを上げる
  • 3.事業継承のリスクを回避する

変化の激しい時代に対応する

VUCA(Volatility・変動性、Uncertainty・不確実性、Complexit・複雑性、Ambiguity・曖昧性)といわれる、変化が激しく予測が困難な現代においては、経営者が全ての事象をイチから把握し、一人で対応することは難しくなっています。

自分とは異なる知識や考え方を持ち、信頼できる優秀な幹部を持つことで、多角的な視点でものごとを判断できるようになり、経営判断の質があがります。

スピードを上げる

会社の規模が大きくなるにつれて、当然ながら判断すべき事象も増加します。全てにおいて経営者が「自分で決め、自分で動く」スタイルを続けてしまうと、事業のスピード、そして企業としての成長のスピードが鈍化します。幹部を育成し、一定内容の権限を委譲することで、企業活動のスピードを上げて競争力を保つことができるようになり、持続的な成長が可能となります。

事業継承のリスクを回避する

全ての人間が、年を取ります。どんなに優れた経営者でも、永遠にその企業を率いることはできません。年齢を重ね、引退が具体的になってから急いで幹部を育成しても、「時すでに遅し」となってしまいます。また万が一、突然自身の身に何かが自体が起き、経営を続けられない事態となった場合、会社の将来を納得できないやり方で託すことになりかねません。苦労して育て上げた経営を任せられる幹部を早くから育成しておくことは、事業継承のリスク回避にもつながります。

※※

経営学の権威であるピーター・ドラッカーは「経営者の最大の役割は、仕事を任せられる人を育てることだ」と述べています。経営者の分身ともいえる幹部を育てることは、企業の持続的な成長に不可欠だと言えるでしょう。

幹部育成のステップ

幹部育成のステップ

実際に幹部を育成する際、どのような手順ですすめれば良いのでしょうか。具体的なステップの一例をご紹介します。

CONTENTS

  • 1.自社の幹部に何を求めるかを明確にする
  • 2.候補者に期待値を伝え、目指す姿を共有する
  • 3.スケジュールをたて、経験を積ませる
  • 4.外部を活用した学びの機会を設ける
  • 5.定期的な振り返りとフィードバックをする

自社の幹部に何を求めるかを明確にする

まずは、自社の幹部に必要な要素は何か、幹部に求めるものを明確にしましょう。一般に企業幹部には、リーダーシップ、コミュニケーション能力、専門知識、変化への対応力、創造力、ロジカルシンキングなどさまざまな能力が必要だとされています。

ただし、それぞれの企業の風土、事業の特性、経営者自身の考え方などにより、具体的に求める要素は異なります。例えば、その土地出身の人でなければビジネスを始めても上手くいかないとされる地域もあります。また複数の幹部がいる場合、同じタイプばかりが揃ってしまうと、ぶつかり合って総合力が発揮できないため、異なる得意分野を持った人を揃えたい、という場合もあるでしょう。

そして何よりも、自社の事業戦略や理念、ビジョンに沿った人物であることが重要です。そもそもそこがはっきりしていなければ、幹部に何を求めるのかを具体的にすることはできません。なんとなく「優秀な幹部を育てる」と育成を始めるのではなく、まず、会社として何を目指すのか、それを実現するために幹部に必要な要素は何か、経営者としての方針を明確にすることが必要です。

候補者に期待値を伝え、目指す姿を共有する

幹部に求める役割や要件が明確になったら、候補となる人物を選定しましょう。大切なのは、その人物に対して、しっかりと幹部候補としての期待値を伝えることです。大きな役割を担うことを期待されている、と本人が認識することで、モチベーションが向上する、日々の仕事で経営視点を意識するようになるなど、さまざまなプラスの効果も考えられます。

また、期待値を伝えるとともに、会社としての事業戦略や理念、将来目指す姿を共有することも重要です。候補となる人物がどこを目指して成長すべきなのかをしっかりと把握して、経営者と同じ方向を向くことができるよう、意識しましょう。

スケジュールをたて、経験を積ませる

幹部の育成には、会社の組織理解や具体的なスキル習得に向けた、経験を積める機会の設定が必要です。「〇年後に△△の役割を担わせたい」など、具体的なゴールを決めた上で、そこに向けてどのような経験を積む必要があるか、スケジュールをひきましょう。任せたいポジションや、その人に足りないスキルなどにより、積ませるべき経験は異なってきます。場合によって部署の異動など、人事担当者との連携も必要となります。

また、「どの部署で仕事をするか」というだけではなく、例えば「経営判断をする」「組織をマネジメントする」といった具体的な経験の内容も大切です。その人自身の成長を見ながら、着実に目標に近づけるような設計をした上で、どのような経験を積ませるべきかを検討しましょう。

外部を活用した学びの機会を設ける

企業の幹部育成を目的とした、研修などを活用するのも一つの方法です。コンサルタント会社や教育関連のコンテンツを提供している企業、自治体など、多くの組織・団体が次世代幹部の育成を目的としたプログラムを作っています。

受講に要する費用や時間、学ぶことができる内容や受講の形式などがそれぞれ異なるため、自社の目的にあっているか、その人が無理なく続けられるかどうかなど、詳細をよく確認してから参加可否を判断しましょう。

また近年は、幹部育成のためにエグゼクティブコーチングを導入している企業も増えています。企業の経営層を対象にしたプロのコーチングを継続的に受けることで、経営幹部としての成長を促し、ゴールに向けて着実にすすむことが期待できます。エグゼクティブコーチングを取り入れる際は、経営者自身もコーチとコミュニケーションを取り、企業戦略や会社の理念、経営幹部に求めるものなどを共有することが大切です。

定期的な振り返りとフィードバックをする

育成の過程においては、定期的な振り返りとフィードバックも重要です。ゴールに向けた進捗が順調かどうかを確認し、必要に応じて軌道修正をしながら、経営者も現状を把握できるようにしておきましょう。

幹部としての期待値を告げられ、そこに向けた成長を求められることは、仕事のモチベーションにつながる一方で、人によってはプレッシャーを感じ不安を抱いてしまうこともあります。その人に足りない点のフィードバックをしながらも、時に寄り添い、伴走する意識が大切です。

幹部を育成する際の注意点

幹部を育成する際の注意点

幹部の育成は、簡単ではありません。うまくいかない背景には、いろいろな理由が考えられます。幹部を育成する際の主な注意点を紹介します。

CONTENTS

    • 1.「イチ社員として結果を出した人」から選抜してしまう
    • 2.ゴールが共有できていない
    • 3.権限移譲が不十分
    • 4.結果を急ぎすぎてしまう

「イチ社員として結果を出した人」から選抜してしまう

よくある失敗の代表例とも言えるのが、成果を挙げたことを理由に、幹部候補にそのまま抜擢してしまうケースです。

イチ社員として成果を上げるために必要なスキルと、幹部として組織を率い、質の高い経営判断をするために必要なスキルは異なります。例えば、営業として誰よりも良い成績をあげたからといって、その人が幹部に相応しいかどうかはわかりません。もちろん、共通する項目もあるとは思いますが、幹部の選抜は、社員の成績競争の結果で決まるものではないことを認識する必要があります。自社の幹部に何を求めるのかを明確にして、適した人物を選ぶことを意識しましょう。

ゴールが共有できていない

幹部候補として選んだ人に何を求めるのか、事業戦略や理念はどのようなものなのか、経営者として将来どのようなビジョンを描き、その中で幹部にはどのような役割を果たしてほしいと考えているのか。それらが充分に共有できていないと、誤った方向に成長したり、部署移動の意味が理解できず漫然と仕事をこなしたり、時間を浪費する結果になりかねません。

幹部候補としっかりとコミュニケーションを取ってゴールを共有し、本人が自覚を持って取り組めるようにすることが大切です。

権限移譲が不十分

計画を練り、経験をつめる機会を設けたとしても、その人にそこでの仕事を任せることをしなければ、せっかくの機会を生かすことができません。優秀な経営者ほど「自分でやった方が早い」「部下に任せると良い結果を出せるか心配」と考え、つい全てを抱え込んでしまいがちですが、そうした仕事の仕方では、いつまでも幹部を育てることはできません。

もちろん、いきなり大きな判断をさせることはリスクを伴い、本人に過度な負担がかかることが想定されます。成長度合いを見ながら、徐々に本人が自ら動き判断できるよう、権限を与えていきましょう。

結果を急ぎすぎてしまう

幹部の育成は、当然ながら、一朝一夕にはいきません。失敗したり後退したりしながら、徐々に人として成長し、幹部の役割を担うにふさわしいスキルや考え方を身に付けていくはずです。結果を急ぎすぎず、長い目で成長を見守りましょう。

さらに、「失敗を許容する」企業風土の醸成も重要です。一度の失敗で不適格の烙印を押されてしまう職場では、多くの人が萎縮し、挑戦をしなくなりがちです。そうした環境では、せっかくの経験を積む機会を生かすことができません。失敗は大きく成長するチャンスでもあります。どうして失敗したのか原因を分析し、次につなげられるようフォローしながら、成長をサポートしましょう。

まとめ

まとめ

企業の持続的な成長に欠かせない、幹部の育成。人を育てる方法に絶対的な正解はありませんが、まずは経営者自ら幹部育成の重要性を認識し、目指す方向性を明らかにした上で「人を育てる」覚悟を持つことが大切です。

信頼できる幹部の存在は、経営者をあらゆる面で支える、心強い味方となってくれるはずです。成長をあたたかく見守り伴走する意識を持って、幹部の育成に取り組みましょう。

 

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