コーチング
コラム
世界の名だたる企業が導入しているコーチング。エグゼクティブコーチングを受けている著名人とは?
ビジネスの世界を中心に、日本でも徐々に広がりつつある「コーチング」。一度は聞いたことがあるという人や、興味を持っているという人も多いのではないでしょうか。
コーチングの中でも、会社社長や経営幹部など、エグゼクティブ層を対象としたコーチングを「エグゼクティブコーチング」といいます。世界中のエグゼクティブ層が受けているというコーチングですが、一体、どのような人がコーチングを受け、コーチとどのような関係を築いているのでしょうか。また、そもそもエグゼクティブコーチングとは、どのようなものなのでしょうか。この記事では、コーチングを受けている世界の著名人、エグゼクティブコーチングの概要について、ご紹介します。
コーチングを受けている世界のエグゼクティブ層
アメリカでは、企業経営者の7割が受けているとも言われるエグゼクティブコーチング。日本でも知らない人はいないような世界的企業のトップも、その多くがコーチングを活用しています。そして、ビジネスを含め人生における多くの課題解決に、コーチの助けを得ています。ここではエグゼクティブコーチングによって大きな成果を得られたことを明らかにしている著名人の一部をご紹介します。
CONTENTS
- 1.エリック・シュミット(Eric Schmidt)
- 2.スティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)
- 3.川邊健太郎氏
エリック・シュミット(Eric Schmidt)
最初にご紹介するのは、Googleの元CEO、エリック・シュミットです。彼のコーチは、世界で最も有名なコーチの一人といえるビル・キャンベル。エリックはGoogleに入社して以来、15年もの間ビルのコーチングを受けていました。そして、ビルの死後、彼のコーチングを受けた人たちが、ビルの素晴らしさを後世に残すために書いた書籍「1兆ドルコーチ━シリコンバレーのレジェンド ビル・キャンベルの成功の教え」の共同執筆者の一人になっています。
エリックは名門大学の博士号・学士号を取得し、大企業のCEOを務めるという華々しい経歴を持っています。この書籍によると、ビルのコーチングを受けるよう勧められた当初、エリックは「フットボールのコーチ上がりの男に、いったい何を教わることがあるというのか?」と感じたそうです。しかし、実際にコーチングを受けて1年も経たないうちに考えが変化し、1、2週間ごとにビルと個別に会い、会社を成長させる中でぶつかるさまざまな問題を話し合ったそうです。
書籍ではいろいろなエピソードが綴られていますが、中でも2004年8月にGoogleが上場した際のやりとりは印象的です。詳細は是非書籍を手にとっていただければと思いますが、エリックはこのとき、会長だけではなくCEOも辞任しGoogleを離れようと思っていました。しかし、その考えを改めてCEOとしてGoogleに残り、その後2007年に会長に復帰しています。このときの進退にも、ビルの助言が大きく影響していました。ビルがいかに重要な役割を担っていたか、そしてエリックがいかに彼を信頼していたかがよくわかる出来事です。
スティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)
かの有名なAppleの共同創業者、スティーブ・ジョブズのコーチも、エリック・シュミットと同じビル・キャンベルです。ジョブズはビルをコーチとしてはもちろん、無二の親友として慕い、毎週のように会ってアドバイスを求めていたそうです。ビルは黒子に徹することを好み、インタビューなどの依頼も断り生前表に出なかったため、ジョブズの追悼式で初めて実際のビルを見たという人も少なくなかったといいます。
ちなみに、ビルはジョブズの親しい友人であり、かつアップルの取締役を務め、一方で、同時にGoogle経営陣に大きな影響力を持つコーチでもありました。2010年、GoogleのアンドロイドOSがiPhoneの特許を侵害しているとしてアップルがGoogleを訴えたことがあります。同書籍によると、これはビルにとって「2人のわが子が、お気に入りのおもちゃよりずっと大きなものをめぐって争っているようなもの」であり、問題の解決に向けていろいろな助言をしたそうです。
川邊健太郎氏
日本のビジネスパーソンもご紹介します。現在、LINEヤフーの代表取締役会長である川邊氏は、ヤフー株式会社の副社長だった2017年に、自身がエグゼクティブコーチングを受けて感じたことなどについて、フォーラムで語っています。そのときの内容を紹介した記事によると、川邊氏はコーチングを受けることによって今まで自分がもっていなかった「経営チームを人間関係で捉える」という発想を得たと話し、また、オフィスを移転したときのコンセプトづくりなど、具体的なアイディアもコーチングによって生まれたそうです。
また、上層部がエグゼクティブコーチングを受ける価値について、自分自身が気づきを得られることに加えて、組織へのプラスの効果もあるとして、次のように話しています。「今まで自分がもっていなかった『経営チームを人間関係で捉える』という発想を得たことは、私にとってコーチングの価値の一つですが、もう一つ大きな意味があったのは、コーチングを受けることでコーチングスキルが身につき、部下に対してコーチングができるようになったことです。
上級職に就く者がコーチをつける意味は、彼ら自身の自問自答の質が上がり、業績が上がるということだけではなく、彼らの関わりによって部下たちが変わっていくことが、何よりのメリットではないかと思うのです」。
エグゼクティブコーチングとは、どのようなものなのか?
改めて、エグゼクティブコーチングとはどのようなものなのか、ご紹介します。
エグゼクティブコーチングとは、エグゼクティブ層、すなわち企業経営者や経営層、組織のトップなどを対象としたコーチングのことです。コーチングは、その人本来が持つ力を引き出し、成長を促すための人材開発の手法の一つです。対象がエグゼクティブ層か一般社員かという分類の他にも、例えば話しをする内容によっても分類されることがあります。「ビジネスコーチング」、「ライフコーチング」、「スポーツコーチング」など、さまざまな呼び方をする場合がありますが、エグゼクティブコーチングはビジネスコーチングの一つとも言えます。
CONTENTS
- 1.そもそもコーチングとは?
- 2.一般社員を対象としたコーチングとエグゼクティブコーチングの違い
そもそもコーチングとは?
前述したように、コーチングは、その人本来が持つ力を引き出し、成長を促すための人材開発の手法の一つです。コーチングでは、コーチと相談者が一対一で対話を行い、コーチは相談者に対してあらゆる角度から質問を投げかけ、答えを促します。その質問に答えることで、相談者は自分が目指すゴールの具体的な姿、そこに到達するために解決すべき課題などを整理できるようになります。コーチの役割は、その人自身が課題に気がつき解決策を実行できるよう導くことであり、質の高い問いかけを重ねることでその人が本来持つ可能性や能力を引き出し、成長を促します。
一般社員を対象としたコーチングとエグゼクティブコーチングの違い
一般社員を対象としたコーチングとエグゼクティブコーチングには、どのような違いがあるのでしょうか。
一般社員を対象としたコーチングは、多くの場合、人事的な観点での人材育成や、マネジメントの一環として行われます。対してエグゼクティブコーチングは、事業・組織の課題解決やリーダーとしての成長促進を主な目的として行われています。また、現在経営している会社に関する相談にとどまらず、経営者として目指す将来や胸のうちにある思いを定期的見つめる時間の確保などを話しあう経営者も多く、エグゼクティブコーチングを受ける理由はさまざまです。
一般社員と経営者では、背負っている責任の重さや関わる人間の数、解決すべき課題の難易度などが、当然ですが大きく異なります。そのため、エグゼクティブコーチングを行うコーチには、一般社員を対象とするコーチよりもより質の高いスキルや豊富な経験が求められます。エグゼクティブコーチングを専門とするコーチも多く、コーチを依頼する際にかかる費用なども異なることが一般的です。
それらの理由から、経営層に対するエグゼクティブコーチングではプロのコーチに依頼し、一般社員に対するコーチングでは、マネジメント層がコーチングの研修を受け、社内でコーチングを実施するという企業も多いようです。
なぜ、エグゼクティブコーチングが必要とされるのか?
なぜ、多くの経営者がエグゼクティブコーチングを取り入れているのでしょうか?エグゼクティブコーチングが必要とされる主な理由として、以下のものが挙げられます。
CONTENTS
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- 1.変化が激しく、複雑化するビジネス環境に対応するため
- 2.リーダーとしてのスキルを向上させるため
- 3.孤独を解消し、ストレスを管理するため
変化が激しく、複雑化するビジネス環境に対応するため
グローバル化、テクノロジーの進化などにより、ビジネス環境はますます複雑になり、変化が激しくなっています。また、少子高齢化が進行し、人手不足や市場の縮小などが始まっている日本においては、企業はこれまでと異なる対応をして変革を起こし、新しいイノベーションを創出しなければ、将来生き残っていくことはできないと言われています。リーダーがこうした状況に対応するためには、自分だけでは得られない気付きを得て、迅速で柔軟な意思決定をしていくことが必要です。定期的に進捗を振り返って事業と向き合う時間を確保し、質の高い問いで気付きを得られるエグゼクティブコーチングは、最適な手段の一つと言えるでしょう。
リーダーとしてのスキルを向上させるため
経営者には、事業を牽引するリーダーシップ、部下をまとめる人間力、従業員が最大限にパフォーマンスを発揮できる組織づくりのスキルなどが必要です。とはいえ、こうした領域を苦手とする経営者が、そもそも自分のどこに問題があるのかを理解するのは困難です。また、仮に気が付くことができたとしても、最適なやり方を見つけ出し、これまでの自分のやり方を自分1人で変えることは簡単ではありません。コーチの力を借りて、自分の強みと弱みを理解し、リーダーとして成長したエグゼクティブ層は数多くいます。
例えば前述した書籍によると、Googleのエリック・シュミットは、スタッフミーティングの始めに必ず、週末何をしたかを全員に尋ねていたそうです。目的は二つあり、一つは家族の話、旅行の話、趣味の話などを通じて、メンバー同士がお互いのことを知り合えるようにすること。二つ目は、楽しんでミーティングに参加できるようにすること。楽しい職場環境が高いパフォーマンスと相関関係にあると理解し、ビルとのコーチングで1年間かけて作り上げた方法だということです。
孤独を解消し、ストレスを管理するため
高い責任を持つエグゼクティブ層は、多くのプレッシャーやストレスに日々さらされています。しかし、「経営者は孤独」とよく言われるように、取引先や部下、経営者仲間など多くのステークホルダーに囲まれてはいるものの、自分をさらけ出し、胸のうちを吐露できる相手がいないという経営者も多いのではないでしょうか。社外の人に組織内部の問題を相談することはできませんし、社内の人に経営者としての心の奥底を吐露することは容易ではないでしょう。
また、安心して本音を打ち明けられる相手だとしても、経営者が抱える課題を受け止められるような、ビジネスに対する理解を持っているとは限りません。エグゼクティブコーチングを受けた経営者が、コーチを一人の人間として信頼し、生涯にわたって人間関係を築くことが多いのは、コーチがこうした経営者の孤独を受け止めて心の安定のための大切な存在となっていることの証と言えるのではないでしょうか。
まとめ
名だたる世界のエグゼクティブ層が受けているコーチング。誰もが知る大企業も、もしかしたらコーチの存在がなければ今の地位を築くことができなかったかもしれません。企業のさらなる成長や、過去の延長線上ではない変革を求めるエグゼクティブ層にとって、エグゼクティブコーチングは最適な選択肢の一つと言えるでしょう。
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