コーチング
コラム
AIコーチングとは?経営者が知るべき 仕組み・メリット・デメリットと活用方法を徹底解説

社員の人材育成や自分自身の成長のため、多くの経営者が活用しているコーチング。企業の成長に欠かせない存在となっているコーチングですが、近年、生成AIの進化とともに「AIコーチング」が急速に広まり、注目を集めています。
ビジネスシーンにおけるAIの活躍が広がる一方で、「コーチングをAIが代替できるのか?」「人間コーチと何が違うのか?」など、不安や疑問を抱く方も多いのではないでしょうか。
本記事では、AIコーチングの仕組みからメリット・デメリット、利用する際の注意点などを詳しく解説します。経営者として、AIをどう活用すべきか判断できる内容となっています。
AIコーチングとは何か?

「AIコーチング」とは、どのようなものなのでしょうか。まず、コーチングについて確認しましょう。
そもそもコーチングとは、その人本来が持つ力を引き出し、成長を促すコミュニケーション方法の一つです。
コーチングは一般に、コーチと依頼者が一対一で対話を行います。最初に依頼者が理想とする姿、目指すゴールを明確にし、そこに向かうための障害となっている課題を明らかにしたり、必要な行動や考え方を整理したりしていきます。
特徴の一つと言えるのが、コーチが「答えを与える」のではなく、「相談者が答えにたどり着くようサポートする」という点です。コーチが投げかける質問に答えることで、相談者は自分自身が大切にしている価値観、将来目指す理想の姿、解決すべき課題などを自ら整理していきます。コーチの役割は、その人自身が課題に気がつき解決策を実行できるよう導き、その人が本来持つ可能性や能力を引き出し、成長を促します。
以上を踏まえて、「AIコーチング」について改めて確認しましょう。AIコーチングとは、人間のコーチが行うプロセスや手法を学習したAIが、対話形式でコーチングを行う仕組みのことです。
AIコーチングでは、AIが自然言語処理の技術を使ってユーザーの発言内容を理解し、生成AIが質問や相手の発言に対する答えを返します。あたかも人間と会話をしているかのような流れで、目標設定や課題の明確化、行動の振り返りなどを支援します。(一般にAIコーチングには、①コーチ役をAIが担うもの、②人間のコーチをAIが補助するものの2種類があります。本記事では①の、AIが対話を通じてコーチとして支援するタイプを想定しています。)
AIコーチングサービスの主な例

AIコーチングは世界的にも導入が進んでおり、以下のようなサービスが有名です。
■国内の主要AIコーチングサービス
- 1.CoachAmit
世界各国に拠点を持つ株式会社コーチ・エィが提供する、AIコーチングサービス。Chat GPTと機械学習によってパーソナライズされた問いを生成し、利用者との対話を進める。 - 2.BetterUp Grow
テキサスに本社をおくバーチャルコーチング企業が提供するサービス。日本語での利用も可能で、必要に応じて人間のコーチを導入することができる。 - 3.ZaPASSAIコーチング
ChatGPT APIを活用したチャットボットのAIコーチング。LINEの友達登録をすることで、無料で利用できる。
ここに紹介したものは一例ですが、仕組みやサービス内容など、さまざまなものがあります。無料で試せるものも多いので、利用する際は自分にあったものを探して活用することがおすすめです。
AIコーチングを活用するメリットとは

AIコーチングには、その特徴から、人間のコーチとは異なるさまざまなメリットがあります。
CONTENTS
- 1.低コストで利用できる
- 2.24時間365日利用できる
- 3.低負荷で記録・振り返り・目標管理ができる
- 4.大勢に一斉に対応できる
・低コストで利用できる
AIコーチングは、人間によるコーチングサービスよりも安い金額で利用できることが一般的です。例えば、社員の人材育成にコーチングを活用したいけれど、費用の面で導入がすすまない…という経営者には、大きなメリットとなります。
・24時間365日利用できる
AIのコーチは、人間と異なり休みを設ける必要がありません。利用者側の都合に応じて、365日24時間、いつでも対応してもらうことが可能です。
・低負荷で記録・振り返り・目標管理ができる
コーチングを受ける度に毎回のセッションを記録し、内容を分析して振り返ることは労力がかかります。AIであれば全ての記録を残し、手間をかけずに履歴から必要に応じた分析や振り返りをすることができます。
・大勢に一斉に対応できる
一定規模の人数に一斉にコーチングを導入するのは、コーチやスケジュールの確保が難しい場合がありますが、AIコーチングでは、多くの社員に対して一斉にコーチングを実施することができます。
AIコーチングを利用する際の注意点

AIコーチングを利用する際には、注意も必要です。
CONTENTS
- 1.AIの回答を「絶対的な正解」と受け取らない
- 2.AIは相手が望む答えを返しがちであることを認識する
- 3.メンタル面の深刻な相談には危険な可能性もある
・AIの回答を「絶対的な正解」と受け取らない
当然ながら、AIが間違った答えを出すこともあります。もっともらしく提示された誤情報をそのまま受け取ることは危険です。
・AIは相手が望む答えを返しがちであることを認識する
AIは、望むときにいつでも話を聞いてくれる存在です。忙しいと迷惑そうな顔をされることもなく、そしてこちらの言うことを否定せずに、優しく受け止めてくれます。ただし、AIがその人の中長期的な幸福を真から考え、答えを返しているかどうかは別問題です。AIは相手が望む回答をする傾向があるという説もあり、不安や孤独を解消するために過度に依存することで、人材育成や経営者の成長の観点で逆効果とならないよう注意が必要です。
・メンタル面の深刻な相談には危険な可能性もある
海外では、ChatGPTを利用したことが自殺の原因になったとして、遺族がCEOを提訴したケースも報じられています。特にメンタル面が弱っている人の利用は危険という指摘もあります。
AIコーチングと人間によるコーチング、それぞれ適した活用方法とは

世界中で広がるAIコーチングですが、まだまだ発展途上で、人間のコーチとAIコーチングそれぞれどのように活用すべきか、いろいろな企業や研究者がチャレンジしている段階とも言えます。
Forbes誌はアメリカのコーチング研究者による研究内容を紹介しており、それによるとプロフェッショナルなコーチングは「共同探求・行動のための意味づけ・価値観/倫理・文脈・関係性の調和・クライアントの自律性」の6つの要素で構成されており、「現在のAIシステムは、どれほど洗練されていても、これらの本質的なものを近似することはできても、具現化することはできない」としています。また、AIは「シングルループ学習」に優れている一方で、「ダブルループ学習」は人間の領域にとどまっている、という意見も紹介しています。
編集部注:
シングルループ学習:過去の成功体験に基づいて問題解決を図ろうとする考え方のこと。「物事の結果を受け行動を改善し、再度その結果を確認する」といったループを繰り返し、問題の解決を行う手法をとる。
ダブルループ学習:今まで学習してきた物事や思考の枠組みを意識的に棄却(アンラーニング)し、新しい考え方や思考の枠組みを取り込みながら問題解決を図ろうとする考え方のこと。
SAISON PERSONAL PLUS「人材育成用語集」より引用
また、エグゼクティブコーチングのサービスを提供している株式会社NonaCanvasの代表・野中祥平氏は、ブログの中で「誰にも相談できない孤独感を抱える経営者ほど、AIに依存しやすく、本質からずれた判断をしてしまう傾向があります。」と注意を促し、「データを渡して分析してもらうとか、『これを計画に落とし込んでみて』みたいなロジカルな領域では結構使えるようになっている」とする一方で、「自分のモヤモヤしている不安の感情とか、焦っている気持ち、イライラしている怒りの気持ちとか、そういう感情を含む対話、『自分のビジネス、本当にこのままでいいのか?』みたいな不安になったときに相談する相手としては、めちゃくちゃのめり込むと危険な存在」としています。
最適な活用方法に関する明確な答えはありませんが、現時点では、例えば目標進捗やタスクの管理、考えを整理したいときの壁打ちなどにAIを活用し、複雑な人間の心情理解が必要な理念の形成や不安を抱えているときの相談相手などは人間のコーチに相談する、など、シーンに応じた使い分けが必要と言えるかもしれません。
まとめ|AIコーチングのメリット・デメリットを理解し上手に活用しよう

AIコーチングは、そのメリットを生かし、それぞれの目的に応じた活用をすることで、社員の育成、経営者としての成長に大きな効果が期待できます。一方で、現時点ではデメリットもあるというのが実情です。今後研究が進むにつれ、AIコーチング自体が発展し、より活用シーンが広がる可能性もあります。
進化をキャッチアップしながらAIコーチングを適切に活用し、経営と組織の成長につなげていきましょう。
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